9、4⇒9、4、1、3、10⇒9、4、1、3、10 (24点)
9-4、1-4、1、3、10、6、2 (9点)
9⇔4、1、3、10
古馬になればダノンキングリーはマイラーとして完成される。数字以上にコンパクトで、いかにも千六前後がベストをにおわせるスピード型の馬体。見た目から長距離を克服するのがまず第一歩と思われた前走だったが、いきなり二千四を克服して、さらに怪時計で走ったことが驚きだった。前2走の時計は超ハイレベルでもデビュー3戦ほどの瞬発力を使えなかったこと。最速上がりをデビュー3戦で2回も経験した瞬発力型が、前2走でメンバーNo4、7の上がり時計からも千六~千八の爆発力こそがこの馬らしさということ。勢いでクリアしたクラシック2、3着より、上がり33秒台以下がわずか5頭だけの中、32秒台の最速上がりだった3走前の適性の高さを強調したい。開幕週の超高速馬場で距離もしっくりくる条件でさらなる輝き。
インディチャンプは徹底したマイル路線から久しぶりに逸脱。キャリア3戦目の毎日杯以来の挑戦となる千八だが、開幕週の高速馬場ならば大きな減点はない。とにかく現役最高レベルの瞬発力。これまで5度の最速上がりを経験して前2走は連続の32秒台。磨きのかかった末脚で現役屈指となる時計勝負の強さにも自信を持っている。わずか1ハロン延長で主役級から一気に引きずり降ろされることは考えにくく、以前より置かれなくなったマイナーチェンジの脚質もほぼ完成されれば大きく崩れることはない。とにかく走るたびに充実をうかがえるという今がピークの5歳馬。一気に頂点に達するディープ産駒とはほぼ真逆でゆっくりと大きく上昇カーブを描くステイゴールド産駒らしい充実ぶり。経験不足の距離でもマイル王としての貫禄は示せる。
さすがにアエロリットの連発はないか。数字にも見え隠れする衰えが最大の懸念となった。この馬の特長は極限の時計勝負に持ち込むこと。ためていい先行馬でなく、なし崩しに脚を使わせてスピードで押し切るのが勝ちパターンだ。だからこそ、前走の乗り方は納得できない。GⅠとしてはスローに落としすぎて苦手な瞬発力勝負に持ち込んでしまったこと。終わってみればレースレコードに同タイム2着とはいえ、上がり時計はメンバーNo12。勝ち馬より1秒も遅い上がり時計に着差以上の完敗が示されている。前々走はハイペースとしても上がりNo16。もとより上がり33秒台がわずか4回だけの経験では瞬発力勝負になりやすい高速馬場となるとお役御免か。年齢とともに陰りが見えて主役はひとまずお預け。ここで見せ場もなければ次もない。
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