18⇒11、3、12、9、1⇒
11、3、12、9、1、7、4 (30点)
18-11、3、12、9-11、3、12、9、1、7、4(18点)
18⇒11、3、12、9、1、7、4 11、3、12、9、1⇒18
今年は例年以上に阪神が超高速馬場となって桜花賞の時計を額面どおりに受け取れないもどかしさ。土曜日の結果から少なくても2分23秒台以下の時計と差し馬には上がり34秒前半が求められることが決定的。最速上がりは少なくても1回以上の経験が必要なことは最近の傾向からもはっきり示されている。
18年
1着アーモンドアイ・・キャリアの全4戦すべて最速上がり。上がり33秒台以下2回経験。
2着リリーノーブル・・最速1回経験。上がり33秒台以下2回経験。
3着ラッキーライラック・・最速3回経験。上がり33秒台以下3回経験。
19年
1着ラヴズオンリーユー・・キャリアの全3戦すべてが最速上がり。上がり33秒台以下2回経験。
2着カレンブーケドール・・最速2回経験。上がり33秒台以下3回経験。
3着クロノジェネシス・・最速3回経験。上がり33秒台以下4回経験。
20年
1着デアリングタクト・・キャリアの全3戦すべてが最速上がり。上がり33秒台以下0回(ベストは34秒0)。
2着ウインマリリン・・最速1回経験。上がり33秒台以下0回だが、二千で最速。前走で二千の重賞勝ち。
3着ウインマイティー・・最速2回経験。上がり33秒台以下0回だが、二千で最速。前走で二千のトライアル勝ち。
これまで最速上がり経験なしだったのは18年オールフォーラヴ、19年ジョディー、20年スマイルカナ、アブレイズなど。今年はファインルージュ、ウインアグライアが最速の経験なし。
桜花賞は桜花賞の前日か、同日の時計比較でレースレベルは浮き彫りになるが、最近は桜花賞の時計が速くてもオークスに直結しないことがうかがえる。
勝ち時計(5Fラップ-レースの上がり時計)
20年は道悪で該当なし
19年
桜花賞
1327(594-327)
前日古馬2勝
1338(597-341)
18年
桜花賞
1331(587-344)
同日古馬1勝
1339(578-361)
17年
桜花賞
1345(583-362)
同日古馬2勝
1349(596-353)
16年
桜花賞
1334(591-343)
同日古馬2勝
1338(583-355)
19年は今年と同様に古馬2勝に1秒も速い勝ち時計で近年にないレベルの高い桜花賞だったが、桜花賞2着シゲルピンクダイヤ、3着クロノジェネシス、4着ダノンファンタジー、5着ビーチサンバなどが出走して結局、馬券圏内だったのがクロノ1頭だけという拍子抜け。桜花賞1着馬グランアレグリアがオークス回避だったとはいえ、桜花賞スキップのローテで千八以上を経験してきた2頭にワンツーを奪われている。
マイラーでも克服できるオークスだけに意外な結果だったが、シゲルとビーチは1勝馬。ダノンは6月デビューでキャリア7戦目が近年の好走歴ない条件に引っ掛かったか。
いずれにしても距離云々、マイラー云々は御法度なのがオークスの特徴だが、下の5つの条件さえクリアすれば確実にオークス最右翼だが、今年は不在。
○桜花賞をステップ
○キャリア6戦以下
○千六以上でも最速上がりが経験済み
○最速上がりで勝ったレースが2勝以上
○最速上がりを計3回以上
16年以降、18年アーモンドアイ(オークス1着)、ラッキーライラック(オークス3着)。19年クロノジェネシス(オークス3着)。20年デアリングタクト(オークス1着)の4頭だけがこの条件クリアしている。
レコード2回記録した桜花賞1着ソダシといえ、この条件をクリアできてないのが現実。最速上がりはデビューだけ。単純な上がり時計比較でもこのメンバーでNo12になるほど瞬発力でまったく武器として胸を張れない。桜花賞2着馬が回避、3着ファインルージュは最速の経験なし。4着アカイトリノムスメは最速2回経験も年明けに経験なしで黄色信号が灯った。
5着アールドヴィーヴルは2回経験もキャリアが3戦だけ。この10年でキャリア3戦だけの挑戦では16年3着ビッシュ(二千の重賞経験)。19年1着ラヴズオンリーユー(二千のオープン特別を最速上がり勝ち)、20年1着デアリングタクト(桜花賞馬)。小柄な馬の止まらぬ馬体減も加味すれば、強調点は皆無に近い。
過去10年でオークスで1~3着となった桜花賞組は1~2番人気か、1~3着馬のどれから当てはまっている。例外は13年1着メイショウマンボだけで過去10年1~3着の計30頭中15頭が該当。今年は桜花賞1、3着馬だけが該当する。
極端な時計決着の傾向が強まってきた16年以降オークスで桜花賞以外からのローテ馬はどうか。
16年2着チェッキーノ、3着ビッシュはそれぞれ最速4回、2回の経験でいずれも二千の最速上がり経験あり。
17年2着モズカッチャンは最速2回で二千でも経験あり。
18年はすべて桜花賞組。
19年1着ラヴズオンリーユーは最速3回で二千でも経験あり。2着カレンブーケドールは最速2回、千六の最速上がりだけ。距離経験は千八まで。
20年2着ウインマリリンは最速1回の二千で勝利。3着ウインマイティーは最速2回でいずれも勝利、二千での経験あり。
カレンだけ例外だが、近年の傾向として基本的に桜花賞以外のステップは重賞経験済みで最速上がり経験が求められて、さらに二千での経験が最低限必要なことも明らかになっている。
重賞経験あり、最速経験あり(最速1回だけの経験なら二千以上で最速上がりから勝利となった馬)、二千の最速経験ありとすると、今年の桜花賞以外のステップの該当馬は
ステラリア(最速5回、二千で最速上がりの勝ち鞍あり)
パープルレディー(最速3回、二千四で最速上がりの勝ち鞍あり)
微妙なのがクールキャットとミヤビハイデン。クールは最速2回経験だが、千八で最速経験まで。二千の距離経験済みで重賞ホルダー。ミヤビは最速2回で千八までの最速経験だが、距離延びた千八の前走でイメージ一新というどちらに転んでも驚かないだけに取捨に迷う。
過去のデータからは桜花賞組は1着ソダシだけ。別路線組からはステラリア、パープルレディーしか該当しない。
微妙な戦績の桜花賞組はアカイトリノメスメ、ククナ。別路線組ではクールキャット、ミヤビライデン。
ここからは過去の傾向を無視した純粋な能力分析。
ソダシの一番の能力は勝負強さだろう。4戦4勝で重賞勝ちとはいえ、そのうち3戦は2着とすべて同タイムが物語っている。4戦1勝の可能性さえあったことはレースからもうかがえた。
札幌2歳Sは過去10年で上がりNo8というサバイバルレース。2着馬が足を余したための辛勝。ジュベナイルFは上がりNo7。最速上がりだった2着馬より0秒3、3着馬より0秒6も遅い上がり時計でギリギリ振り切った。しかも首の上げ下げは劣勢での辛勝。桜花賞はレコード連発の馬場で数字そのものに過度な驚きも賞賛もない。上がり33秒台以下が5頭で1、2、3、4、6着。最後は苦しがって逆手前になるなど、時計の限界か、瞬発力の限界を示したが立ち回りのうまさで振り切った内容だった。
同日の古馬2勝より1秒以上も速い勝ち時計とはいえ、19年でも同じような時計差でオークスは1頭だけの馬券圏内という過去の歴史。明らかな瞬発力不足のソダシはハイペースで流れることが絶対条件で、さらになし崩しに後続馬が脚を使ってくれるような前走の再現だけが生き残る道だろう。
いずれにしても時計も瞬発力も求められるような条件では見限りたい。瞬発力だけが求められるスロー~超スローの流れでは嫌いたい。逃げ馬不在のメンバー構成だが、とにかく他馬に合わせるような立ち回りだけは避けるべき。
過去の傾向を無視すれば、一番の魅力はククナだった。母クリミナルはデビュー2連勝で瞬発力型としてエリートコースを歩んで、終わってみれば桜花賞2着、オークス3着。ククナ自身がシンザン記念とクイーンCで上がりNo4、桜花賞上がりNo2ならば、母の無念を晴らすことのできるレベルまで完成されていることは間違いないだろう。
そもそも前走が不可解そのものだった。3角でポツンと最後方待機に何の意図があったのか。レコード連発の超高速馬場では知恵も工夫もないという意味のない"試走"に終わらせて1戦を無駄にした。勝ち馬より0秒6、3着馬より0秒5、4着馬より0秒7も速かった上がりNo2が唯一の光で、母が17番枠でオークス3着。真逆の絶好枠を引いたことにも運命を感じさせる。
アカイトリノムスメの前走は正直、拍子抜けだった。スタート直後から勝ち馬をマンマーク。4角で抜群の手応えだった勝ち馬に対してこの馬は早々に追い出すという手応えの悪さ。勝ち馬より4角で1馬身差だったが、残り1ハロンの時点ですでに3馬身差となって勝負を決められたことは瞬発力型にとって逆転のイメージができない完敗だったということ。
オークスと直結しやすいクイーンCでは過去10年で良馬場8回中レースの上がり時計No7。上がり33秒台だったヴィルシーナとクロノジェネシスの勝った年を考えれば、昨年のレースの上がり34秒9はいかにも頼りない。前走で化けの皮が剥がれて相手と時計に恵まれた3勝馬のイメージがますます強まっている。いずれにしてもソダシと好走条件が似ている。
ユーバーレーベンの落ち目っぷりはまさにクラブを象徴するような結果だろう。すでにどっぷりベテランの域に入っているが、ローカル専門騎手から脱せない鞍上に前々走を託したことが悪夢の始まり。賞金加算が命題の中で、仕掛けの遅さが響いて3着。それまで重賞で何の結果も出てない鞍上に託せば、このような結果も簡単に予測できたはず。余計な1戦を使って4走前より30キロ減。細く映らなかったとはいえ、止まらない馬体減がプラスになる牝馬はいない。最後もがいて2着馬を交わせなかった前走からも体調の限界はもちろん、瞬発力勝負の限界も見え隠れしたことが致命的。
桜花賞の高速馬場と同様にフローラSもかなりの割り引きが必要な馬場だった。上がり33秒台以下がなんと13頭。同日の未勝利よりわずか0秒1上回った程度の時計をどうにも評価できない。アルテミスSで上がりNo8の瞬発力でもクールキャットが差し切れたこともある意味納得できるだろう。例年より時計ひとつ以上の加算が必要なレースレベルだったと断罪。
ステラリアの不運は大外枠ということだけ。勝てる数字を兼ね備えているだけに前日6番人気には違和感しかない。5戦連続の最速上がり。千六、千八、二千の持ち時計は過去のオークス上位馬と比べても水準以上で、とりわけ前走は桜花賞レコード並みに価値を見出せる異次元レベルの時計だ。差し~追い込みで良績を残して、マクり競馬も4走前に経験済み。微妙なコンビだった主戦から乗り替わったこともこの馬にとってむしろ好都合だった。3走前は加速する上がりレースラップで同タイム2着。前走は残り4ハロンから11秒台突入のサバイバル戦で差し切り勝ち。世代トップレベルの瞬発力型でもあり完全燃焼型。どんな流れでも上位が浮かぶ。好位で立ち回るソダシの直後の位置取りで結果は出る。
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