2、9、1→2、9、1→
2、9、1、6 (12点)
極限の瞬発力勝負はいぜん未知数だが、休み明け初戦で超大型馬が見事な変わり身を示せば、素直に素質開花として評価するのが妥当だろう。マズルファイヤーの前走はイメージ一新の内容に驚いた。まずはテンへの行きっぷりの良さ。以前同様にスタート難はうかがえたが、それでも二の足のスピードは今までに披露してなかった新しい一面。さらに直線入口の早めスパートで勝負を決めて残り1ハロンから流して3度目の最速上がり。以前より反応抜群の末脚になって、切れ味にますます磨きがかかっていた。なるほどデビュー戦は直線入口で前が壁になるというスムーズさを欠くレースで同タイム2着。3走前は直線半ばで一気に先頭に立ちながら気を抜くような仕草で再び同タイム2着。前々走はじっくり乗りすぎて脚を余すへぐりならば、遅すぎた初勝利ということ。今のパワー重視の京都馬場がしっくりきて、さらなる進化が期待できる。
バッドボーイは平凡な見た目に反して、とにかく実戦に強い。デビュー戦でロゴタイプに0秒1差の5着だが、上がり時計は0秒2も上回った。3走前は朝日杯3着ゴッドフリート、現3勝マイネルホウオウに0秒2差で上がり32秒台。前々走はレコード決着の0秒6差で勝ち馬コディーノに上がり時計で上回るという快挙もあった。前走は3着キズナに一旦差されながら、ゴール直前で差し返した勝負根性こそがこの馬の特長。どんな位置取りでも直線の追い比べで並ぶ形になると世代トップレベルの鋭さなら、見た目度外視で狙うべき。重賞になると一気に勝負弱くなる鞍上だけが減点材料。
ラストインパクトは人気を被ると妙味がない。確かに前々走は強かった。引っ張り切りで直線入口先頭に立つ行きっぷりの良さ。終わってみればムチはもちろん、しごくこともなく流して楽勝した内容は、時計を割り引いてもエリート馬そのものだったが、前走で評価は一変した。馬体など気配は前々走以上に良化したが、前週の未勝利並みのラップで未勝利並みの上がり時計がレースレベルの低さ。勝ち馬が次走京成杯で淡泊な負け方をしたことが決定的となって評価をひとまず下げた。
超スローの上がり競馬で実質残り2ハロンだけの競馬となったリグヴェーダに試練が待っている。じっくり構えて最速上がりで完封した前走は見た目こそ豪快だが、数字を並べると強調点を探す方が厄介だ。前走の2~5着までが次々と次走であっさり負けたレースレベルの低さ。京成杯が雪で順延になる不運から期間が短く、輸送疲れの心配や手前の替え方などの修正、3角過ぎからのサバイバル戦への対応など、数々の課題を抱えているのが現状で主役としては心細い。
アドマイヤドバイは早くも瞬発力勝負に弱さを露呈した。前走は同日未勝利と比べて5ハロン通過で0秒8も遅い超スロー。いくらか掛かり気味だったとはいえ、射程圏の逃げ馬を捕えられないジリっぽさがこの馬の特徴だろう。これまで5戦して上がり34秒7が自身の最速。前々走の0秒6差も数字以上に能力差を感じさせている。ワイド要員。 |