8⇒1、11、15、4、2⇒
1、11、15、4、2、18、17、6 (35点)
8-1、11、15、4、2、18、17、6
ゴールドアクターに絶対王者としての貫禄が感じられない。有馬記念で本命に推したのはあくまで中山、脚質を重視から。終わってみればすべてにおいて恵まれた一戦だったことは否めないだろう。有馬記念は過去10年でワーストNo3の勝ち時計。残り4ハロンからようやく11秒台突入のラップにもかかわらず、ラスト12秒台はいかにも低調なレベルだったことがうかがえる。最速上がりだったトーセンレーヴだけ抜けた上がり時計となったが、その他は34秒7~35秒1の僅差の中に11頭もいることで位置取りがいかに大事だったか、上位馬は展開に恵まれたことが伝わるはず。現実に向正で先頭から5頭中4頭で1~4着独占。単純な前残りだったことが見た目にも数字にも表れてレースレベルの低いGⅠ馬が誕生したことが決定的となった。
前走の日経賞も同じようなレベルだけにGⅠ馬としての威厳が失われていく。過去10年でズバ抜けて遅い勝ち時計は、道悪で勝った12年のネコパンチ級だからある意味驚くはず。正味直線だけの単純な上がり勝負で強調点を見出すことは無理な話か。先行~差しの脚質とはいえ、これまで上がり33秒台はわずか2度だけ。ケタ外れの持ち時計もない現状では、もうひと回りの成長が課題となる。極限の瞬発力を求められる京都でスタミナはもちろん、スピードと瞬発力を求められた際の戸惑いは隠せないだろう。
さらに追い打ちをかけるのが記憶にない鞍上の京都芝勝ちの実績。鞍上の腕も問われる3角過ぎからの下り坂で三千二の長距離戦を加えると、特異な馬場をいきなり乗りこなすには相当な技量が必要になってくるが、ローカル馬場で積み上げてきただけの見せかけの年50勝アベレージに中身が伴っているとは到底思えない。実質20勝程度のレベルの可能性も見え隠れすれば、人馬ともに京都が鬼門になる可能性が強まってくる。
ゴールドを低評価にすればサウンズオブアースの評価も上がらないのは当然の流れ。逆算すれば、ゴールドはシルバーコレクターのサウンド程度のレベルということ。これまでGⅠ2回、GⅡ4回の2着。これまで勝ち鞍は同世代同士のわずか2勝だけ。重賞未勝利は当然だが、古馬相手に勝ち鞍なしで一線級で踏ん張っていることに驚く。イメージ以上に時計勝負に強く、瞬発力勝負にも抵抗して大きく崩れない安定感に特徴でも、勝ち切れない勝負弱さで究極の相手なりまでの馬として完成されてしまったのが現実だ。最近は最速上がりの記録がなく、数字ほど切れ味を感じられない末脚になっていることも一抹の不安を感じる。前走も残り50で力尽きて着差以上の完敗ならば、京都(140111)の条件で勝ち負けを意識できるまで高めることは難しい。さらに3年以上も重賞未勝利という未熟な鞍上配置が追い打ちをかける。昨年は向正から手応えが怪しくなり、4角前で早くもアラアラになったレース内容。圧倒的な時計で2着となった菊花賞からは想像もできなかった惨敗となれば、改めて距離適性の有無を問われるレースになることは間違いない。
昨年と同じようなローテーションで天皇賞春2着の実績を買われたのか、意外に人気を集めているのがフェイムゲームだが、内容的に雲泥の差があった事実は無視できない。ゴールドシップに同タイムとはいえ、向正では惨敗覚悟だった手応えの悪さ。さらに昨年は前哨戦のダイヤモンドSで過去10年のNo2勝ち時計を着差以上の貫禄勝ちから本番へ挑めたが、今年はいくらかトーンダウン。道悪とはいえ、追い始めて勝ち馬にさらに突き放されて子供扱いされた。勝ち馬の条件にピタリとはいえ、いいわけはできない完敗。もとより前走ダイヤモンドSは稀なステップだけに鞍上マジックだけの大駆けだけに警戒か。
その勝ち馬トゥインクルはパンパン馬場の瞬発力勝負で太刀打ちできる裏付けがない。上がり33秒台の経験はわずか1度だけ。ゴールドに3着実績はあるが、基本的に時計や上がりのかかる馬場や流れで好走が集中しているパワー先行の差し馬。上がり34秒後半から35秒台に集中からも、京都(010010)以上に相性は悪そう。
適性と相手を見据えてシュヴァルグランを本命。過去10年でワースト3の有馬記念1、3着馬より少し離れた人気になるとは意外と思えるほどこの馬の底力を信頼している。世代最強の証は数字にも表れている。前走の阪神大賞典は歴史に名を残した馬と肩を並べた。勝ち時計は過去10年でNo3。馬場差はあるとはいえ、過去2年のゴールドシップを上回って何より着差2馬身差以上で勝ち上がった馬は確実にその後天皇賞春で好走している。
06年ディープインパクト(直後の天皇賞春1着。GⅠ7勝)
08年アドマイヤジュピタ(直後の天皇賞春1着)
11年ナムラクレセント(直後の天皇賞春3着)
13、14年ゴールドシップ(13年天皇賞春5着、14年天皇賞春7着。GⅠ6勝)
同じ厩舎だったアドマイヤジュピタより1戦だけ重賞の経験と勝利が少ないが、ここが初のGⅠで同じような勝ちっぷりだった阪神大賞典からのローテーションなど、数々の条件が重なってイメージをダブらせる。前走も含めて12戦中6戦で最速上がりの瞬発力は天井知らず。単純な上がり時計比較ではメンバーNo11でも、二千四の上がり時計に限定すればNo7。ゴールドにわずか0秒1差ならば、まったく問題ではないだろう。56キロ以上で勝ち鞍のない実績が唯一の懸念材料だが、別格の素質からクリアできる感触は十分にある。
シュヴァルを物差しにすれば、前走2着のタンタアレグリアも色気が出てくる。例年、菊花賞は呪われたレース。その後不振ばかりが目立つ昨今だが、そこから見事に立ち直ったのは評価していい。その菊花賞も3角過ぎに外々を仕掛けながら立ち回るというセオリー無視の荒っぽい乗り方で0秒3差。まったくロスなく立ち回った勝ち馬キタサンとほぼ同等の評価が可能だ。前々走は単なる休み明けの叩き台。真価を問われた前走でV字回復ならば、4歳らしい成長力を警戒しなければならない。前走も3着以下を軽く引き離した瞬発力は凄みさえあった。鞍上の意のまま動ける自在性で気楽に乗れる立場。実績も確かとなって驚くような走りを期待したい。
キタサンブラックは流れが速くなってポカの可能性もあるが、とにかくスローの強さは現役最強レベル。前走は二千とはいえ、上がり33秒台という意外性も魅力的となっている。いずれにしてもこのコンビがどう立ち回るかがすべてのカギを握っている。"盾男"と呼ばれていたのはひと昔前の話。同型がいると即消極策となって自ら境地に追い込むのが鞍上の負けパターンだけに、行きたいカレンミロティックをどう捌くかに焦点が絞られる。菊花賞は3角前からマクり合いでも終始ラチ沿いを立ち回れたから好走につながった。たとえハナを切れなくてもラチにこだわって立ち回りたい。ハナを切れれば大きく崩れることのないしぶとさに特長。 |