7⇒1、11、16、14、9、12、13、8 (168点)
11、16、14、9、12⇒1⇔
11、16、14、9、12、13、8 (60点)
ビッグアーサーの前走は鞍上の好プレー、好判断に尽きるだろう。スタート直後に行き脚のつかなった3走前が残像として残って、絶対的な王者としての威厳がどこか感じられなかったスプリント王。着差以上の完勝で重賞勝ちに導けば馬よりも鞍上を称えるべき。逆読みすれば小細工をしなければ勝てないという自信のなさからの騎乗方法。GⅠ2勝、重賞を連勝しても数字を素直に受け取れないのが本音だ。
千二(820010)の距離適性は圧倒しているにもかかわらず、時計面で若干の物足りなさ。以前まで時計のかかる中京馬場が今年は京都並みの超高速馬場で、GⅠスプリント戦がレコード更新など当然の流れ。確実に日本レコード更新可能な馬場状態だったが、同日の500万にわずか0秒6だけ上回った数字が低調GⅠの証でもある。この程度の時計で最後流すことができたのはいかにもメンバーに恵まれたということ。前走も同様だった。想定外の逃げは逆読みすれば、控える競馬では危うい可能性があった鞍上の判断からの超安全策。前日の2歳未勝利千八でレコード更新、千六の500万でレコードに0秒6差という前々走と同じような超高速馬場。レコード確実なラップを刻みながら、レコードより0秒4劣る勝ち時計。最後2ハロンの落差が1秒3のバタバタになった入線では、まだまだ克服すべき壁が残っているということだろう。メンバーNo12の上がり時計でも差されなかったのは後続の馬も走らなすぎた裏付けでもある。スピードはもちろん、器用さや底力が求められる初の急坂、中山コースで真価が問われる。単あって連なしか。
スノードラゴンは前走で大きな収穫を得た。決まって置かれる差し馬をスタート直後から出しに行って徹底してビッグをマンマーク。器用さの違いで直線半ばに引き離されたが、終わってみればビッグと同じ上がり時計。なし崩しに脚を使って初コースで0秒4差に踏ん張れたのはダイエット成功から古豪復活の序章を表している。休み明け(321024)から叩き2戦目(201004)でいくらかトーンダウンだが、初コースのビッグに対してGⅢ2、3着が含まれた中山(021000)。何より乗り慣れた主戦に戻してすっかり立ち直った姿がイメージできる。芝千二で5戦連続の1分7秒台。底力、勝負強さ、意外性を強調。
ビッグを物差しにするとレッドアリオンの出番があっていい。前走は痛恨となった直線残り50で行き場なし。まったく追えなくなる状態が最後まで続いて0秒4差、上がり時計はメンバーNo5。初のスプリント戦でこれだけの結果を残せば、距離適性やスピードに課題はない。行き切るか、徹底待機か、あれだけ乗り方に苦労していた馬と思えぬ変身ぶり。休み明けの前々走で58キロを背負って自己ベストに0秒6差が大変身シグナルの可能性が出てきた。
レッドファルクスの前走もビッグ同様にレコード確実馬場だった。前日の500万にわずか0秒5上回っただけ。スローに近いラップで典型的な前残り競馬。勝ちバターンに持ち込んだ2、3着馬を軽く交わした瞬発力が唯一の見せ場となったが、いずれにしても急坂中山で極限のスピード勝負に抵抗できる裏付けがないのが現状。重賞未勝利馬が2着になるようなメンバーからスプリントのスペシャリストが揃う気の抜けないGⅠ級相手となってすべてにおいてレベルアップが求められる。大仕事の期待というより、正直価値を見出せないのが現実。
ミッキーアイルには新境地を感じられない。ハナを切れなければ怖さのない単調さは数字的にもはっきり表れている。まずは昨年のスプリンターズSを紐解くと同日の1000万より2、3、4ハロンで遅いラップにもかかわらず、振り切れなかったもどかしさ、歯がゆさ。道中完全に引っ掛かって折り合いを欠いたとはいえ、残り150で先頭に立った勝ちパターンに持ち込みながらの失速は正直ショックの方が大きいだろう。常にスプリント界をにぎわせている快速馬も小細工乗りで自ら窮地に追い込む思い切りのなさではGⅠ7連敗中もある意味納得できる。いつになったら迷いのないレースができるのか。アドリブが利かず、GⅠ未勝利の新コンビに意外性を求められなくなって万事休す。
ある程度の馬格があっても牝馬ゆえのモロさ同居。レッツゴードンキは重賞で連続3着でも半信半疑が本音だ。前々走は同日の500万よりわずかに上回った程度の勝ち時計。前走はGⅠ、GⅡではっきり壁に当たっているGⅢ限界のメンバー揃いでは強調点を見出すのに苦労する。前々走、前走でそれぞれの上がり時計がメンバーNo4、No2。ここでは単純な上がり時計比較でメンバーNo13、千二限定ではメンバーNo9。スピードや瞬発力だけでなく、底力が求められるコース替わりとなって大きな試練にぶち当たりそう。いずれにしてもさらなる壁を乗り越える必要がある。
ブランボヌールの前走はいかにも世代レベルの高さで乗り切れたレース。休み明けとはいえ、恵まれすぎた斤量51キロ。名手配置でうまく噛み合ってメンバーNo3の上がり時計で突き抜けた。着差以上の楽勝はとにかく相手に恵まれたということ。千二を3回経験しているにもかかわらず、上がり33秒台以下の経験がわずか1回だけでは極限の瞬発力勝負になって対抗できるかは疑問が残って当然だ。20キロ増は成長分としても、バランス的に完成形はまだまだ先のイメージ。
ネロの前走は試走として申し分ない走りだった。単調で淡泊なイメージの強かった先行馬を注文つけた好位差し。最後猛追したが、千二限定の上がり時計ベストが33秒6からも瞬発力の限界だったことを改めて認識させただろう。やはり誰もが思っているという迷いのない積極策しか生きる道は残ってないこと。勝つことだけにこだわれば問答無用の逃げ。中身の濃い直線競馬を経験で以前より逞しさ。初コース馬もいるとはいえ、中山千二の持ち時計はメンバーNo1。掲示板外のない中山(220110)でこれまで以上の存在感を示せる数字は兼ね備えている。 |