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東京裏読み
関東
1R2R
3R7R8R9R10R11R
関西
1R2R
3R7R8R9R10R11R12R
JRAホームページ

東京11R

3連単BOX11、12、4、10

3連複BOX11、12、4、10  馬単BOX11、12、4、10

キタサンブラックの前走は適当な皮算用が働いて評価を落としてしまった。3戦連続で好走歴のない馬がGⅠ3戦すべて勝利のボーナス目当てから昨年と違ったローテーション。天皇賞秋から始動してジャパンC、有馬記念のうち、一番賞金の低い天皇賞秋は手探りの叩き台として割り切ったのがそもそもの間違い。パドックをひと目みて早々に思惑が外れたことを痛感した。明らかにいつもよりすっきりした馬体の造り。十分すぎる追い切りがそのまま馬体の良さに出た好仕上がりなら前走の結果も受け入れるしかない。
いずれにしても現役最強馬らしいレース内容だった。とりわけ圧巻だったのが鞍上の神騎乗だろう。久しぶりにGⅠで豊マジック。28年前の桜花賞シャダイカグラのレースをデジャヴーとしてよみがえらせた。まるでわざと出遅れたような大出遅れスタート。当日は前々へ行きすぎても置かれすぎてもまったく太刀打ちできず、ラチに近すぎても離れすぎても良績のなかった特異な馬場状態。出遅れたためにどのコースでも選べたが、ラチから3、4頭分離れたコース取りの選択もベストチョイスだった。鞍上のイメージ通りに動けるレース運び。まさに直前のレースから読み取った会心の勝利だろう。
終わってみれば内目を回った3頭でワンツースリー。コース取りの良し悪しがそのまま結果に直結したレースは鞍上の見極め力の差が浮き彫りになっている。馬場を見た目だけで判断した下手な鞍上は勝負どころから外へ外へ。逆に上位の鞍上はガラガラの内目をついてまったくロスなく立ち回っている。キタサンは一時あれだけ置かれたにもかかわらず、何のロスも負荷もなくほぼ馬なりで4角先団。いつも通りの前々から追い始めたことで馬の戸惑いも最小限に抑えられている。2着サトノクラウンは並びかけるが、残り50までまったく差が縮まらない。現役最強馬の威厳を感じさせたという着差以上に余裕ある完勝となった。
天皇賞は春秋を含めて26年ぶりの不良馬場。その26年前の不良馬場だった天皇賞秋で2番手の馬に1秒ち切って先頭でゴールしたのが武豊騎乗のメジロマックイーンだった。結局スタート直後の斜行がアダとなって降着。馬主とJRAが大もめとなって、フルゲートが当時20頭から18頭になるきっかけとなるレースでもあった。同じ不良馬場でまさに因果応報。運命的なGⅠ勝利は感慨深いものがある。

休み明け(411000)、叩き2戦目(400000)、叩き3戦目(011001)。不良馬場の天皇賞、大阪杯のGⅠで2勝含む二千(311000)から、GⅠはジャパンC1勝のみでダービー大惨敗の二千四(200001)。有馬記念は2、3着で二千五(011000)。意外に二千四前後の距離に苦手意識ある可能性も否めないことが1つ目の不安材料。
前走で評価を落とした理由のひとつに根本的なスピード不足。今年になっても完全解消されていないのが現状だ。前走は持ち時計が関係ない不良馬場だったとはいえ、二千の持ち時計はメンバーNo6。今回、二千四の持ち時計はメンバーNo11まで落ち込む点が2つ目の不安点。
極限の瞬発力勝負が避けられない今開催。先週は最速上がりが2歳戦以外でほぼ33秒前半以下。1600万の千六では32秒7、1000万の二千では32秒9からも、メンバーNo6の上がり時計となっているキタサンにとって大きな試練。33秒台がわずか2回だけ。昨年の勝ち時計は小雨の中でパンパンの良馬場ではなかったことが奏功して、過去10年でワーストNo2という恵まれた時計にジャパンC勝ちという威厳が薄れていくのが3つ目の不安点。
キタサンが逃げれば絡む馬もいない神通力が通用しなくなれば、昨年の再現はかなり難しくなる。いずれにしても外国馬がハナを切るような展開は未知数になることが4つ目の不安点。
ここまで数々の難題が揃えば連覇のイメージが浮かばなくなるのも当然。キタサンにとって展開の恩恵なくして栄光なしが結論。この枠順ならとにかくハナを切って完全燃焼すべき。

前走で考えられないほどキタサンの逆をついたのがマカヒキだった。良績集中の好走パターンの真裏。置かれすぎてラチから離れすぎでは手も足も出ない。決め打ちの待機策と全馬の中で3番目に外々を回るコース選択の悪さでほぼ勝負は終わっていた。3角手前でいくらでも内に潜り込めたが、それでも外を回ることにこだわればいいわけはできない判断の悪さだったということ。天皇賞秋上位3頭の鞍上と絶対的な見極め力の差で馬の脚を引っ張ったことは間違いない。4角で後方の馬は戦意喪失する馬が多数いる中でメンバーNo2の上がり時計。直線ほぼ最後方から馬群を縫って10頭もゴボウ抜き、ゴール直後には4着に浮上したことで完全復活近しを印象づけている。海外遠征後のスランプ入りでほぼ1年を棒に振った元3歳チャンピオンのダービー馬。東京二千四の持ち時計はメンバーNo2。直線坂コースで二千以上に限定した上がり時計はNo1。スピード、瞬発力ともに軽くキタサンを上回っている元古豪が、一変したダービーと同じ舞台で再び激変しても驚かない。

サトノクラウンマカヒキ同様に海外競馬で燃え尽き症候群に陥っていたが、香港ヴァーズの快勝で見事なV字回復。道悪の鬼ということは戦績が示していても、パンパンの良馬場でも真っ向勝負で太刀打ちできる数字を持っている。海外GⅠの1着とダービー3着で二千四(101000)。さらに二千四の持ち時計はベスト。大阪杯の惜敗で道悪巧者というイメージを強めているが、大幅な馬体減が敗因と納得すればまだまだ良馬場で見限れない。時計も瞬発力も規格外となったダービーでは勝ち馬ドゥラメンテに0秒1、5着リアルスティールに0秒5も上回ったサトノの最速上がりは異次元的な数字。そのリアルは昨年のジャパンC2番人気で5着。切れ者のイメージがあるリアルよりさらなる瞬発力が可能となれば、計算上でジャパンC制覇が成り立つだろう。2年前、昨年と惨敗した天皇賞秋は鬼門のレースだったが、今年2着で嫌な流れを断ち切ったいいリズム。ごく普通に3勝目がみえている。

レイデオロは本当に強いのか。いまだ疑問に残っているのが本音。確かに同世代では能力上位でも、古馬相手にはレース未経験。時計も上がり時計も胸を張れるような数字がないのが現実だ。ダービーで勝ったのは歴史的な超スローを読み切った鞍上の神業がすべて。大マクりから差し切っても、メンバーNo8の平凡な上がり時計が早仕掛け奏功を示している。着差以上の完勝だった前走さえ、最速上がりより0秒2も遅いNo2の数字。結局スローの前残り競馬で良績集中しているだけで、極限の時計か、上がりのどちらかを求められて抵抗できる裏付けは数字的にはまったくない。これまで上がり時計33秒台以下はわずか1回だけ、二千四の持ち時計はNo8。二千四限定の上がり時計でもNo8で、このメンバーではすべて標準レベルの数字に留まっている。
過去10年で馬券に絡んだ3歳馬はディープスカイレッドディザイアローズキングダムジェンティルドンナデニムアンドルビー。牝馬か、切れ切れの瞬発力型に良績がなければ太刀打ちできないGⅠに特長ならば、人気的に妙味はない。過去3年で3歳馬の好走が途絶えていることが決定的な減点材料。いずれにしても古馬相手には頼れる数字が揃うまで半信半疑が続く。