7⇒8、2、5、15⇒8、2、5、15 (15点)
8、2、5⇒7⇒8、2、5、15、12 (9点)
牝馬路線は日替わりのように重賞馬が変わっていただけに桜花賞で重賞馬が9頭いても2、3着馬が重賞未勝利だったことは予測できたこと。重賞の時計や上がりから少なくても牝馬は歴史的な世代レベルの低さだが、牡馬も同等に例年より確実にレベルは低い。ホープフルSと朝日杯はすでに標準以下が決定的。とりわけ近年の比較では断トツのレベルの低さ。単純にレベルの高い重賞を重視するのがセオリーとなる。
それぞれの重賞を過去10年と比較(勝ち時計、レースの上がり時計)すると(きさらき賞は中京開催の過去2年のみ、スプリングSは道悪で除外)
朝日杯(No6、しんがり)、ホープフルS(No5、2)、京成杯(No7、3)、きさらぎ賞(過去2年比較No1、1)、共同通信杯(No3、5)、弥生賞(No2、3)。素直に共同通信杯、弥生賞組から組み立てたいが、いずれの勝ち馬にも死角が見え隠れしている。
タスティエーラは瞬発力が最大のカギのとなる皐月賞で致命的となる"最速上がり経験なし"。とりわけ近年の皐月賞1~3着馬には確かな記録があることが紛れもない事実だ。
皐月賞1~3着馬の最速上がり回数(1着馬、2着馬、3着馬)
22年(2、2、2)
21年(1、0、2)
20年(3、2、2)
19年(1、4、2)
18年(0、1、1)
17年(1、4、1)
16年(4、3、3)
15年(4、2、0)
21年2着タイトルホルダー、18年1着エポカドーロ、15年3着キタサンブラックが最速上がり未経験馬だったが、いずれも共通して逃げか、2番手からの経験がある逃げ先行馬。差し馬で最速上がりの未経験は致命的となることをはっきり示しているジンクスだ。
タスティのこれまでの上がり時計はNo2、3、4。二千、千八の持ち時計はそれぞれNo4、5。高いレベルで安定しているが突き抜けた数字でもない。時計のかかる馬場状態ならばこのジンクスをひっくり返す可能性があっても、良馬場に回復すればこの馬にとって負のジンクスであることは間違いない。いずれにしても立ち回りのうまさが大きなカギ。鞍上の大一番での技量が問われる一戦になる。
主役はファントムシーフがいい。デビュー2戦連続で33秒台の最速上がり。前走は先行抜け出し。皐月賞に求められる瞬発力と器用さをクリアしてコース経験、時計勝負にもメドを立てている完璧さ。むしろこの馬が絶対的な1番人気にならないのが驚きだ。前々走はあくまでへぐり。歴史的にみても4角で5番手以内が鉄則になるレースにもかかわらず、超スローを無意味な引っ張り込みが直線での悲劇を生んだ。最内枠としても4角まで動くに動けない位置取りを変えなかったこと。窮屈なコース取りから仕掛け始めたのが残り250からとなって、正味残り1ハロンだけの競馬。ゴール直前で1、2着馬より上回る脚色がすべてを物語っている。ダイワメジャー産駒の異父姉ルピナスリードは千四以下3勝を含めた千二~千六で4勝のスプリンター。ダービーより皐月賞全力は間違いない。
フリームファクシの出番は考えにくい。ほぼ少頭数のみの経験はクラシックで致命傷となることが例年の傾向。さらに血統的な掛かり癖で早くも矯正不可能な悪癖馬と化したのが追い打ち。前2走で引っ掛かったものの、メンバーレベルの低さでごまかせたということ。標準的な頭数、レベルならば確実に4角前にギブアップ状態だっただろう。この好枠を内々で我慢と捉えるか、くしゃくしゃにモマれると捉えるか。どちらにしても本番で初経験。ハナを切った際だけにわずかながらの活路か。
基本的に皐月賞でキャリア2戦の馬を主役にすることはこれからもないだろう。昨年イクイノックスはあくまで特例。先々で世界レベルの馬だからこそ、通用したと割り切るべき。本来、クラシックはある程度のキャリアにも耐えられるフィジカルとメンタルを兼ね備えた馬が頂点に立つレース。近年のできるだけキャリアを抑えて本番を迎えるのはかなりの博打要素が含まれるということ。
22年は共同通信杯勝ちを含む2戦2勝ダノンベルーガ。21、20年はそれぞれ京成杯勝ちの2戦2勝グラティアスとクリスタルブラック。19年は弥生賞2着のシュヴァルツリーゼ。18年はすみれS勝ちのキタノコマンドールなど、近年だけでもキャリア2戦馬が人気を裏切って大きな壁に当たっている。イクイは2戦ともに最速上がりで自身の上がり時計ベストは32秒9。共同通信杯は過去10年で勝ち時計No4、レースの上がり時計No3だった。異次元レベルの2戦2勝馬だけが生き残れるということ。今年の京成杯は過去10年の良馬場9回中No7の勝ち時計、若駒Sは良馬場限定でワースト勝ち時計。ソールオリエンス、マイネルラウレアは簡単に見限れる。
共同通信杯で負けた馬が皐月賞で3着以内になったのは15年1着ドゥラメンテ、21年3着ステラヴェローチェ、22年1着ジオグリフらはすべてキャリア4戦、すべての馬に上がり33秒台以下の経験があった。タッチウッドはキャリア2戦で自己ベストの上がり時計が34秒0。ここでNo14の瞬発力に何の強調点も見出せない。しかも前走の上がり時計No10。早仕掛けだったことを割り引いても超スローの前残りで展開の利に助けられたことが大きな要因。今年のクラシックのキーになりそうなドゥラメンテ産駒でも強気になれない。
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