1→16、9、2、4、7→
16、9、2、4、7、6、17 (30点)
16、9→1→
16、9、2、4、7、6、17 (12点)
1-16、9、2-
16、9、2、4、7、6、17、15 (18点)
見た目はどうしても長距離ベターと思えぬ体つきだが、ゴールドシップは前2走が本物の強さ。いずれも最速上がりで、横綱相撲で皐月賞制覇も納得の0秒2、0秒4差だった。前々走はスタート直後の消極策が裏目に出て脚を余す惜敗だが、前走は仮想菊花賞としては最高のトライアルを消化した。決して遅くないペースをロングスパート。追えば追うほど伸びる末脚で他馬を圧倒すれば、二冠達成はほぼ手中に収めただろう。最後のレースラップ12秒5に不満は残るが、少なくても同じメンバーに本番で逆転不可能を結論づける結果だったことは間違いない。ダービー1~4着までごっそり菊花賞回避。春のライバル不在で負ける際はこの馬がじっくり構えすぎて他馬も同様に仕掛けが遅れる典型的な前残りだけ。自信を持って勝負どころで積極的に動けば、前走の圧勝劇が再現となる。
相手にはスカイディグニティ。初勝利に5戦もかかった叩き上げの上がり馬だが、強さは本物と前走で確信している。出世が遅れたのは前任騎手が徹底して追い込み競馬にこだわったため。好位差しで届かなかったデビュー戦に懲りたのか、2戦目から直線だけの勝負に賭けて3、3、4、4着でようやく5戦目に初勝利。デビュー戦は2連勝で京成杯3着アドマイヤブルーの3着。3戦目は後に京都新聞杯をレコード勝ちしたトーセンホマレボシに0秒3差など、騎手以外にも巡り合せの悪さが重なった停滞期だった。転機は積極的に乗った4走前。長距離適性の高さも加わって上がり時計は3走前から走るたびに磨きを増している。前々走で一旦、瞬発力に限界を感じさせたのは、結果的に強引なマクりで終いバテた教育的な乗り方だったということ。前走は3角前から馬群をすり抜けのマクりから最後まで勢いが止まらなかった。何より今まで不安だった時計勝負にメドを立てたことは一番の収穫で、長距離適性やロングスパート経験を加味するとGⅠ初出走でも格下感はない。
フェデラルホールは数字どおり走るたびに凄みが出ている。デビュー3戦連続で1番人気を裏切っていた馬が、乗り替わりの刺激から一変して目の覚めたような快進撃。昇級戦でも壁を感じさせぬ内容で軽く突破して3連勝を決めた。3走前は加速する上がりレースラップを好位差しで2戦連続の最速上がり。前走は馬なりでマクって直線入口先頭。そこから上がりラップが全11秒台の瞬発力勝負を押し切って重賞レベルを裏付けている。母は福島記念を勝ったJRA5勝のオーバーザウォールなら血統的な下地も確か。見た目は長距離こなせるすっきりした馬体。
エタンダールはどこからでも乗りこなせるレースセンスが魅力。距離も馬場も不問なオールラウンダーで、瞬発力勝負にはっきり限界を示せば早仕掛けがごく自然な流れ。青葉賞は直線外から並ばれて闘志が出たような集中力不足。前々走は掛かり気味。前走は終始外々を回らされるコースロスが大きくてもそれぞれ0秒4、0秒6、0秒6の着差がこの馬の底力で、絶対的な立場のゴールドに敵わなくても他馬には一歩リードの計算ができる。前走の馬体キープが絶対条件だが、たとえ増減がなくてもダービー時のようにチャカつくようなら割り引きたい。
マウントシャスタに魅力はない。直線入口で一瞬夢みた宝塚記念でも、残り100からピタッと止まった末脚に距離の限界を感じさせている。案の定、前走も直線半ばで失速が始まる着差以上の完敗。中距離ベターを印象づけた前2走から一変は浮かばない。
行くしかないニューダイナスティは未完成な逃げ馬で狙いづらい。前々走レコード勝ちで人気になった前走はあまりにも淡泊な負け方。残れるラップにもかかわらず、直線並ばれると無抵抗の失速に一気の距離延長、相手強化で打開策は見出せない。
同じく行きたいビービージャパンも強調点に乏しい。3走前は同日の未勝利に0秒1だけ上回った勝ち時計。残って当然のラップを刻んでギリギリ粘った3着。ハナが切れなかった前々走はまったく太刀打ちできず、前走は超スローの前々有利を味方にして直線フラつきながら逃げ切った低調な内容。GⅠ通用の裏付けは見つからない。
ダノンジェラートはひとまず一線級との壁にぶち当たりそう。デビュー3戦は相手に恵まれただけの連続最速上がりで連対パーフェクトだが、前走は勝ち馬の直後から追い比べに持ち込んで完全なる鋭さ負けがキャリア不足そのもの。スカイに0秒5も劣る上がり時計。わずか1戦の経験から驚くような末脚に化ける可能性は低い。
コスモオオゾラは休み明けがすべて。いくら皐月賞4着、ダービー6着の実績を掲げても、休み明けに良績のないタフなGⅠでは無意味な数字。過去10年で前走が5月以来という馬は菊花賞掲示板に該当馬なし。最低でも8月以来の順調さが最低条件では論外。
ロードアクレイムはゴールドシップに逆転がほぼ不可能な完敗の前走で取捨に迷い。スタートから最後まで大名マーク。直線入口も直後から追い比べとなって直線半ばまでの抵抗で終われば本番では2着狙いが正解の乗り方。直線うまく捌けず、相当ロスがありながら差し切った3走前でも上がり時計そのものは平凡で、瞬発力勝負よりスタミナが求められるサバイバルになって台頭か。
穴候補に前走でも期待したラニカイツヨシか。菊花賞出走を賭けた前走でまさかの後方待機。ペースが速いと感じたのか、道中動くこともなく、ほぼ直線だけの競馬では届くはずもなかった。母父にヘクタープロテクターだが2着スカイと同じ上がり時計はイメージほど長距離が悪くないことの証。切れ味不足は距離延長でも変わらぬ息の長いジリ脚でカバーする。
フジマサエンペラーが前日最低人気とは驚き。ディープブリランテに2着となった東スポ杯2着から少しずつ歯車が狂って長いスランプとなっただけで、完全復調を示す前走なら評価を一変しなければならない。上がりレースラップが11秒0-10秒9-11秒2の極限の上がり勝負。最後は力尽きたが、2角でハナを切る変則的な展開。さらに34秒台半ばに限界のあった上がり時計を一気に払しょくされる33秒台の瞬発力に復活、成長がうかがえる。母チューニーは13番人気でオークス2着。この馬も東スポ杯は10番人気で2着。意外性は血統譲り。 |