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東京裏読み
関東
5R6R
8R9R10R11R12R
関西
7R9R10R11R12R
WIN5

東京11R3連単フォーメーション4、1、14→4、1、14、5、11→

4、1、14、5、11、18、13 (60点)

3連複フォーメーション4、1-4、1、14-

14、5、11、18、13、16、6、9 (22点)

数字だけなら史上最低レベルの勝ち時計となった今年の桜花賞。馬場改修後は1分34秒前後が主流になっている中、断トツに遅い1分35秒0。朝イチの稍重から回復中で発表以上に馬場が悪かったこともあるが、何より直線の向かい風が大きく影響して午前中の未勝利よりわずか0秒3だけ上回った勝ち時計になった。未勝利戦は上がりレースラップをすべて11秒台に対して、桜花賞は11秒9-11秒5-12秒7。最後2つに1秒2の落差がタフなレース内容だったことの表れだろう。当日の午後のレースでは最後2つの上がりレースラップの差が古馬500万で1秒9、3歳オープン特別で1秒6、古馬オープン特別で1秒7の落差。桜花賞だけ時計のかかったことではないことがはっきりと裏付けられれば、平凡な数字は度外視できる。
別路線組も強烈なインパクトはない。フローラSも数字だけなら決して重賞レベルとは言えない。各馬が雨を意識しすぎて必要以上の消極策。上がりレースラップは11秒6-11秒2-11秒4に示されているように、桜花賞とは真逆で発表以上に馬場は良かった。ほぼ良馬場の瞬発力勝負で、5ハロン通過63秒1はあまりにも遅すぎたラップだったことがうかがえる。どちらも数字から判断しにくい難解なレースならば、見た目や着差を重視。GⅠの威厳で桜花賞組か、瞬発力の強さでフローラS組かに狙いを絞る。

桜花賞もフローラSも底力を求められたタフなレースならGⅠ桜花賞を重視する。アユサンローブティサージュコレクターアイテムの須貝勢が燃え尽きたように失速する中、2歳時から高評価そのままに結果を残した数少ない1頭だ。デビュー戦は馬なりのひとマクりで先頭に立って、追うと33秒6という数字どおりの切れ味で見事な一気差し。4走前はレコード決着のハイレベルなレースをキャリア2戦目で2着。コースロスなく立ち回った勝ち馬よりかなりロスのある立ち回りにもかかわらず、直線外から再び最速上がりで0秒1差まで迫った。3走前は勝負どころでかなり外を回らされた結果。さらに直線ラチ沿いが伸びる馬場状態では太刀打ちできなかったのも仕方ない。各馬が引っ張り殺して結果、逃げ馬有利のスローだった前々走が盲点で、振り返ってみればこれまで以上に行きっぷり良化が変身のシグナルだったということ。
本番では本来のスタイルに戻して折り合い専念。直線、一瞬前が壁になったが、うまく抜け出して2着馬に外から並ばれるともうひと伸び。少なくても3着以下には決定的な差で駆け抜けている。他馬は脱帽するしかない圧勝劇で、あれだけ重賞馬が揃いながら3着以下を子供扱いすれば、数字以上の強さ、迫力だったことは間違いない。
12キロ減はどこが減ったのかわからないほどの馬体。アウェーからホームへコース替わり。迎える立場になれば前走以上に期待が高まる。前走でも稍重に近い回復中の良馬場ならば、ある程度の雨は我慢できるはず。東京はすでに2度経験済みなこともさらなる自信につながっていく。

レッドオーヴァルにとって悔やみ切れない桜花賞だろう。いくらか外を回ったとしても頭数を考慮すれば、完璧に近い捌き方。脚をためながら追い出して直線半ばで抜け出してきた際に勝ちを確信できたが、勝ち馬に並ぶと相手が意外なしぶとさ。二の足を使われて最後にこちらが力尽きている。当時の馬場は百戦錬磨の古馬でも苦しむタフな馬場状態。千六を徹底して使ってきた相手と違って本番で距離2度目になるキャリアの浅さがモロに出た結果を素直に受け止めるしかない。後のない追い切りをかけてきた相手に対して、馬体キープが大前提となる仕上げ方も最後の差として出たか。いずれにしても勝ち馬より0秒4も速い上がり時計で桜花賞最速上がりを決めればそれなりの結果を残せたということ。
これでデビュー以来、すべて最速上がり。距離が延びても道悪でも切れ味に陰りのないオールラウンダーで、何より掛かる不安のないレースセンスはまさにオークス向きの差し馬ということ。道悪微妙なアユサンに対してすでにかなり悪い馬場で結果を残しているのも強み。最内枠をどう捌くか。ブエナビスタジェンティルドンナのような4角ブン回して一気に差せるほど馬は成熟してないだけに好位の内々で折り合って直線内目を縫って延びてくるのが青写真か。前々走のへぐりから絶好の舞台でコンビ再結成。鞍上マジックに期待が高まる。

プリンセスジャックは人気に反して中身の濃い桜花賞で見直しが必要だ。直線入口で前が壁になるロスがなければもっと楽に3着確保。上位2頭に0秒4の着差も確実にもっと詰まっていた。リズムの悪さを跳ね除けた3着なら数字以上の価値。何より遅咲きのゴールデンジャックの仔という超良血馬がこれだけ早く花開けば軽視できなくなるのも当然だろう。母はオークス2着、宝塚記念7着、当時二千四百のエリ女5着だが、重賞3勝の異父兄サイドワインダーが本格化したのは4歳後半。異父兄シークレッドボーイは3歳冬にようやく初勝利。今でも現役の異父兄ゴールデンガッツはデビュー勝ちが距離二千。3歳前半からの活躍や短距離のイメージがまったく浮かばない超良血馬で、桜花賞よりオークス向きということが血統的にも裏付けられた。まだまだ良化余地を残す馬体は暖かくなればさらなる上昇の計算。12キロ減で激走して反動心配なアユサン、輸送減りを覚悟しなければならないレッドより条件は合っている。

デニムアンドルビーにとって願ってもないメンバー構成だ。レースを引っ張るのができるだけペースを落としたいクロフネ。各馬はほぼ控える競馬で折り合えるならば、間違っても流れが速くなることはない。これまでもとりわけ瞬発力勝負に強さを発揮してきた上がり馬。前々走は3角過ぎから手が動き始める行きっぷりの悪さだったが、直線では見違えるほどの反応の良さで直線一気。前走は道悪を考慮しても超スローの中を徹底した最後方待機。4角前に団子になる一団を外から一気のマクり。直線入口で先頭から3馬身差まで追い上げも他馬とはまるで違う勢いがあった。残り1Fで先頭に立って着差以上の楽な手ごたえから後続を振り切れば、数字に表れない本物の強さ。全体時計には何の強調点もない平凡な数字だが、瞬発力勝負の強さはまさにエリートなディープ産駒そのもの。スタミナをある程度求められると厳しくなるモロさ同居は否めないが、流れが速くなる可能性がこれだけ低くなれば掲示板は外さないか。

エバーブロッサムも同じようなタイプ。直線で窮屈な位置取りに嫌気が出たようなデビュー戦以外はとにかく不発がない。終始追っ付け気味の行きっぷりの悪さながら、豪快に差し切った3走前で吹っ切れた。翌日の未勝利より遅いラップでじっくり構えすぎた前々走はゴール直後に1着になるほど凄みある末脚だった。前々走よりも積極的に動いた前走はトライアルらしい能力を測れる内容だろう。直線入口で勝ち馬より1馬身前の位置取り。絶好位から着差以上の完敗なら、少なくて対デニムで同じような位置取りからレースを運んでも太刀打ちできないことが示された。速い時計が未知数というよりひとまず壁に当たるのが目に見えているのが現実。上がり勝負だけに特化して強さを発揮してきた差し馬はひたすら直線まで仕掛けを我慢するしかない。3角過ぎからペースアップするというサバイバルになりやすいオークスでの台頭はイメージしづらい。雨で時計がかかるのを待つ。

クロフネサプライズの前走は中途半端な乗り方で自滅した。前々走と同じようにハナを切ればスムーズに立ち回れたが、決め撃ちの乗り方で無理やり控えて引っ掛かる悪循環。完全にハミがかかって前々走とは比べものにならないほどリズムを崩せば、まともならギリギリ踏ん張れるラップを刻んで無抵抗の失速も納得できる。翌日に馬場がさらに回復した1000万より時計で上回った前々走こそが本来の姿。逃げるには絶好の外枠からベストのスタイル、ハナを主張できるかどうか。控える競馬が通用するのは千二までで、ハナを切れなかった時点で早い脱落が決定する。

トーセンソレイユにはさらなる馬体減でも相当良く映ったが、結果的にキャリアの浅さがモロに出た0秒8差だった。スタートで大出遅れでリズムを崩して終始外々を回るコースロス。スタミナも求められる悪条件が重なったことも追いうちをかけた。良血らしい好馬体はまだもう1段階の成長が見込める雰囲気。じっくり間隔を開けてどこまで立ち直れるか。気楽に乗れる立場でいきなり前々で攻めても面白い。