10⇒13、16、11、1、8、14、7、4 (168点)
13⇒16、11、1、8、14、7 (90点)
コパノリッキーは五分に出た時点で勝負が決まると断言したとおりの結果になった。やはりスピード云々より格、器そのものが他馬と違っていたということ。直線入口から追い出して一瞬にして突き抜けた瞬発力はGⅠ馬の凄み。残り100から流して0秒7差、予想以上に傷みのない理想的なステップとなった。単純比較なら能力、完成度そのものはGⅠでも抜けた存在。
絶対王者が世界制覇の夢を見ている間、鬼の居ぬ間にタイトル奪取は命題だが、さすがに前走のようなハードルの低さはない。相手というより、条件面が一気に厳しくなる。まずスタートからコーナーまでの長さは逃げ先行馬にとって厳しいコース体形。内枠のコーリンベリーにハナは譲るとしても、逃げ馬の直後の位置取りだけは避けたい。外から被されるのを嫌えば、やはりスタート後から出しに行かなければならないだろう。
昨年快勝でも内容的には歴史的な凡戦。良馬場で過去10年ワーストNo2の勝ち時計。一昨年と比べると5ハロン通過で2秒も遅いラップに低調さがうかがえる。気楽に乗れてマークも甘かった昨年とはまったく別の話になる。もとよりスタート難を抱えていた癖馬を前主戦が矯正した過去。前走だけで乗り替わり成功とは言い切れないだけにスタートには特に集中したい。
ワイドバッハの前走は何の収穫もなかった。直線馬群を捌く教育としては手ごろな相手と条件だったが、それでも超安全策を選択して流れ無視から撤退待機。直線入口で大外へ出す単純な乗り方ではここ好走の糸口になるようなきっかけはつなめなかった。GⅠはまだ2戦目、千六(100011)、稍重(300002)という経験値の低さが致命傷になりかねない。武蔵野Sは残り1ハロンまで縦長隊形。追い込み馬にとって捌きやすい流れだっただけにひとまず馬群から抜け出すような経験をさせるべきだっただろう。あくまで本質が他力本願型。馬群を嫌がったワンパターンの直線大外一気はGⅠレベルとなると確実にどこかで壁に当たる。これまで4戦連続最速上がりで瞬発力にますます磨きがかかっている馬でも千四、千六、千七、千八の持ち時計ベストは皆無。自身の上がり時計ベストもここでは標準並みになるだけに過信はできない。
昨年のフェブラリーSは特異な流れだったと割り切れば、ベストウォーリアの巻き返しに期待できる。昨年の惨敗はどうにも不可解。確かに3角まで掛かり気味だったが、それにしても4角絶好位で手ごたえにもかかわらず、まったく反応なしのズブズブになる姿はよほど鞍上と息が合わなかったか、最内枠がアダになったのか。唯一の惨敗になったが、千六(411001)で千六スペシャリストの評価に変わりない。もとより千六より長い距離はまったく走らないマイラーで、前2走の凡走は単に条件が合わなかっただけ。休み明け(311000)、東京(411001)、千六以下に限定した主戦とのコンビ(411000)など数字を並べるとますます一変するイメージができる。
インカンテーションに怖さはない。悪癖をつけられてスイッチはあまりにも遅すぎた乗り替わり。大きく置かれすぎたのはこれで3戦連続。目先の好走、GⅢ程度相手なら、ふざけた乗り方が通用してもさすがにGⅠ、千六では入着ラインも厳しくなる。前走も1角ですでに1頭だけポツンと最後方。スタートミスで勝利をあきらめて、着を狙った前半徹底待機だったからこそ2着に浮上できた。スタート直後から勝利にこだわって馬群に取りつこうとすれば不発に終わっていた可能性が高い。千六は2年ぶりの挑戦という経験のなさはズブい差し馬にとって致命的。
ジャパンDダービーは勝負どころで鞍上があせって大へぐり。ハイペースを早仕掛けで三冠を取り逃がしたハッピースプリントはJRA好走の条件にコンビ解消が大前提。その三冠を阻止したカゼノコは4戦連続の最速上がりが途切れた前々走の結果が現状の力関係。ワイドバッハより斤量が1キロ軽く、より高い距離適性にもかかわらず、切れ味自慢の馬がワイドより0秒4も劣った上がり時計に短い期間で逆転不可能な数字として物語っている。成長期がこれからの4歳馬より怖いのは突然の古豪復活だ。
典型的な例が根岸Sのアドマイヤロイヤル。好走と凡走の繰り返しでつかみどころがなかったが、3走前にGⅠ3着。千四(251021)で休み明け(144042)ならば、15番人気はあまりにも軽視しすぎ。これまで上がり35秒台以下は実に17度。1度もない差し馬のサンビスタがある程度人気になっていることに違和感を感じるはず。前走は残り50で接触してバランスを崩さなければ2着あった。盛り返してきたバイオリズム。叩き2戦目(341105)、千六(336122)、東京(445112)を案外信頼できそう。
ワンダーアキュートも虎視眈々と狙っている。この馬の不運は主戦も元主戦も慎重に乗りすぎてきたということ。これまでGⅠ2着は7度、3着は5度。これだけ取りこぼせば普通ならばどこかで勝負をかけるが、常に相手なりに動いて最後競り負けるという安全策を取り続けていた。初のGⅠ制覇から実に1年半もかかってようやくGⅠ2勝目が昨年の帝王賞。千八、二千の距離では約2年も馬券から外れたことのなかった安定株が前2走で予想以上の負けっぷりに年齢的な衰えを感じるが、それが逆に奏功する可能性はどうか。一気に人気を落として気楽に乗れる立場で乗り替わり。いつでも動ける枠順。昨年のフェブラリーSは勝ち馬を上回る上がり時計でメンバーNo3。千六(103001)が示す以上に距離適性の高さを示している。コパノリッキーと負けた際の着差は0秒5、0秒4、0秒6、1秒1差。逆転までは苦しくても、体調ひとつで食い下がることは可能な数字だ。
ローマンレジェンドはツキがない。ムラなスタートがそのまま結果に直結するタイプ。4角で先頭から2、3馬身差が好走パターンの馬にとって最内枠にプラスがない。GⅠで勝負強さを発揮する鞍上とは真逆で、GⅠになるとリズムが悪くなる。7連勝で挑んだ2年前のジャパンCダートは1番人気で4着。続く東京大賞典で雪辱勝利だったが、次走のかしわ記念で1番人気を裏切る3着から悪夢の始まり。帝王賞では大惨敗、JRA馬場に戻って確勝のはずのGⅢで3着。13年のジャパンCダートは2番人気で13着の屈辱的な惨敗となった。その後エルムSで勝ったものの、2着馬はGⅢレベルのクリノスターオー。一線級相手にワイドラインの争いとなった前2走が現状の能力分布図ということ。とにかくスタートがすべて。道中動くに動けない枠順を引けば、好位で立ち回らなければ掲示板も難しい。 |