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東京裏読み
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東京11R推奨レース

3連単フォーメーション1⇔13、10、17、4⇒

13、10、17、4、7、5、6、12 (56点)

14⇒1⇒13、10、17、4、7、5、6、12 (8点)

以前から言っているようにオークスは特異なレース。このレースまではなぜかマイラーでも好時計を連発でオークスを制覇している。近年ではスプリンター色の強いスピード型でも決定的な差はない。距離云々は考えなくてもいいだけに、桜花賞の結果がそのまま直結する可能性は極めて高い。
その桜花賞は歴史に残る泥試合。"魔の桜花賞ペース"が死語になった平成競馬で、近年のスローペース依存症が極端に表れた。誰もハナに行く気がなく、先行馬さえ徹底して抑える始末。好スタートを切った勝ち馬が懸命に抑えてハナに立てるほど楽な展開だった。5ハロン通過は62秒5。昨年の57秒0と比較すれば、前々が絶対的有利だったことは一目瞭然。スローの上がり勝負だったジェンティルドンナが勝った3年前でも59秒3だから、いかに逃げ馬有利かがわかるはず。いずれにしても勝負勘の優れた騎手と劣る騎手の差が如実に表れたレースだったことは言うまでもない。勝ち馬以外の比較は単純に上がり時計だけが能力基準として判断したい。

行くしかない先行馬を引っ張り殺した他馬の鞍上が、考えられない超スローとなった泥試合の戦犯であることは間違いないが、逆にレッツゴードンキの鞍上は絶妙なる好判断。毎年GⅠを2、3勝の勝負勘がすべて勝因だった。好スタート後に他馬が行く気なしとみてじんわりとハナへ。直線半ばで勝負を決めたぶっち切り勝ちは、結局トライアルの積極策が本番に直結したということ。普通なら負けているだけに避けたい乗り方だが、そこが鞍上の凄さ。33秒台が当然のラップとはいえ、自身の上がりベストを0秒1上回る数字は胸を張れる。
前々走は掛かってハナを切るという折り合い難、休み明けや道悪もひとつの敗因。理想的なステップでハナか、内々の我慢できるポジションを確保できれば、前走の0秒7差は簡単にひっくり返らない。母マルトクは千四以下で5勝でも、ラチを頼りにできる枠順を引けば問題ない。

ルージュバックはそもそも桜花賞を使うならば、千八⇒二千⇒千八のローテーションで本気に勝とうと思ったのかとも疑いたくなる。キャリアが少ないうえに距離は未経験。まさに陣営のレースマネージメントの悪さで勝てるレースを取りこぼしたと言っていい。十分にトライアルは使えたはずだが、なぜかきさらぎ賞を選択したのには首をかしげたくなる。桜花賞を使うならば、関東で千六か、千八が常識的。2戦連続の長距離遠征を選んだ理由が、もしゆったりしたローテーション目的なら、GⅠ未勝利調教師らしい最悪な選択だったとして納得するしかない。距離経験が最重要になる桜花賞で今までの傾向を無視して惨敗は当然といえば当然。いつもどおりの瞬発力がうかかえず、ほぼ不発に終わった内容からも距離経験の重要さが身に染みて伝わっただろう。
いずれにしてもリスタート。あまりにも楽な勝ち方を連発してきたお嬢様が、前走の経験で脱皮できるかどうかはいぜん不透明。千八⇒千六でいきなり二千四では、折り合い自在な馬でも引っ掛かる覚悟は必要だ。前走もスタート直後は相当鞍上との呼吸は悪かった。前走を教訓にすれば、4角ブン回しで直線勝負が普通の流れ。外差しの利かぬ馬場と道中掛かり気味でゴボウ抜きのイメージはしにくい。

スローの瞬発力勝負になった桜花賞は上がり33秒半ばが境界線になる。2着クルミナルは合格点でいい。メンバーNo2の数字は勝ち馬を上回る瞬発力。道中最内の位置取りから4角前から外へ意識。スムーズに抜けてきたとはいえ、3着馬よりかなりロスのある立ち回りに着差以上の中身の濃さが示されている。最速上がり1度に33秒台2度の切れ者は理想的な馬場状態で一発を狙う。

3着コンテッサトゥーレは少し割り引きが必要だ。理想的な位置とコース取り。まったくロスなく、直線はスムーズに捌いて追い比べに持ち込めた。絶好の手応えで伸び切れなかったことがマイナス材料。改めてスプリンター色の強い千四ベストのスピード型として評価を固めたい。

4着クイーンズリングは瞬発力勝負の限界が近いか。前々走まで2戦連続の最速上がりが、前走でまさかの追い負け。直線入口で2着馬の真前の位置取りから弾けなかったことからもスローの上がり勝負にどこかモロさ、弱さを感じる。絶好の位置と手応えでメンバーNo7の上がり時計では一気にトーンダウン。

5着ノットフォーマルに強調点などない。超スローをなぜか必要以上に控えて逃げ馬をますます楽にさせた戦犯がこの鞍上。控えて策がないことを何度乗ってもわからない資質の低さ。未勝利並みの数字だった重賞勝ちは気休めにしかならない。

6着アンドリエッテは数字ほど切れ味を感じなかったが、それでも徹底待機から最速上がりにひと筋の光。初の上がり33秒台がGⅠの舞台なら、負け組の中では価値ある数字だ。キャリア5戦で重賞2戦を含む3戦で最速上がりの切れ味はまだまだ天井知らず。輸送減りの課題をクリアすればパワー、スピード、スタミナを兼ね備えた血統からも面白い存在になる。

7着キャットコインは本来ならもっと好位で立ち回れるが、鞍上のマークミスで見事なまでのへぐり。1番人気ルージュだけを相手とした乗り方で見せ場もなければ、まだ勝負付けは済んでない。道中はほぼ最後方で外々の立ち回り。直線大外から不発に終わったのは12キロ減の馬体も響いたと納得すると怖さが出てくる。まずは馬体回復から。

10着ココロノアイもアルテミスSのような積極策がみれなかったのはルージュを意識しすぎたためだろう。後方中団外の位置取りで4角前に勝負あり。直線入口までマクることなく、大外ブン回しではなおさら見せ場もないのは理解できる。ロスのあるコース取りで上がり33秒7はぎりぎり圏内。パンパンの良馬場と内枠で見直したい。

別路線組ではフローラSに強調材料は浮かばない。前日未勝利より遅いラップを刻めば当然の前残り。勝ち時計が0秒2だけ上回った数字では未勝利~500万のレベルということ。掛かり気味の折り合いだったディアマイダーリンは論外だが、シングウィズジョイもハナを切ってスローにならない限り太刀打ちできない。

ミッキークイーンは桜花賞に出られなかったことが奏功しそうだ。前々走まで3戦連続の最速上がりが前走で止まったが、それでも充実がうかがえるレース内容は自慢していい。4角で2着馬にマクられる厳しい流れをまったく動じず、追い比べになってから危なげなく勝ち上がった。前々走で20キロ減からわずか2キロ増だったが、むしろ気配は良くなった印象。距離を克服して上がり時計もクリア済み。距離延長と東京コース替わりで夢が膨らむ。