3⇒9、7、14、4⇒
9、7、14、4、11、1 (20点)
9⇒3⇒7、14、4、11、1 (5点)
古馬になってからのディープ産駒の不調は牡馬が特に深刻で、メンバーの3割以上の出走となったディープ包囲網からも是が非でも勝ちたいレースというより、勝たなければならないレースとなった。牡馬クラシック三冠ではすべて異なる馬で三冠達成となったディープ産駒がまたひとつの偉業を達成。ここでも1~3着独占など、違った形の偉業が達成されても驚かなくなった。いずれにしても時計と瞬発力、ある程度のスタミナを求められる極限の決着になることは避けられないメンバー構成。額面どおりに数字を信頼するのが正解となる。
宝塚記念の時期がずれて、ジャパンCの賞金が飛躍的にアップしたために、天皇賞秋はいつからか、叩き台として扱う馬も多くなった。ここ10年で3か月以上の休み明けで馬券に絡んだのは、
07年メイショウサムソン
08年ダイワスカーレット
09年スクリーンヒーロー
10年ブエナビスタ
11年ペルーサ
12年ルーラーシップ
13、14年ジェンティルドンナ
スクリーンヒーロー、ペルーサはそれまで大きなタイトル制覇はないが、それ以外はビッグネーム揃い。サトノクラウン、カムフィーがこの条件に該当して脱落。
過去10年で8歳カンパニー、6歳エイシンフラッシュ以外はすべて3~5歳が1~3着。年齢の条件でクラレント、ヒストリカル、ラブリーデイ、サトノクラウン、カムフィーがひっかかる。
いずれにしても理想的なローテーションを組んでいる成長目覚ましい4~5歳馬が勢揃い。休み明け、年齢だけで見限ることも悪くないか。
まずは前日午後8時現在で1番人気のエイシンヒカリから。昨年の天皇賞秋で総合力が求められる流れでは策がないことが浮き彫りになったにもかかわらず、これだけ人気を集めるとは意外だった。同日の1000万より5ハロン通過が0秒2遅いというGⅠとしては超スロー。その流れでハナ切って能力全開の馬を控えさせるという鞍上のペース音痴ぶりも問題だが、上がりレースラップ11秒3-11秒1-11秒6にまったく対応できなかったことは記憶に新しい。残り1ハロンから失速が始まる完敗は瞬発力勝負の弱さ、モロさを決定づけた象徴的なレースだった。香港Cはハイペースで逃げて後続の馬がなし崩しに脚を使わせた逃げ馬有利の特有ラップで勝ち切ったが、本質が千八までのスピード型。ギリギリの二千(300002)では極端な結果を覚悟しなければならないということを考慮しなければならない。逃げ馬とはいえ、二千限定の上がり時計はメンバーNo14。ため逃げでは策がなく、問答無用の大逃げからどこまで粘り込むかという一か八かの乗り方だけが生き残る道となる。
2番人気モーリスも危うい人気馬だ。初重賞制覇となったネオリアリズム程度に二千で競り負けたマイラーが、前走よりふた回り以上も強敵相手に太刀打ちできる計算は成り立たないだろう。得意の千六でもスローの上がり勝負となってロゴタイプを交わせない失態。ひと頃の走るほどインパクトを与えていた勢いに陰りをみせて、どこか苦手意識のある東京(110001)では勝ち負けのイメージが浮かばない。道中超スローを考えると価値観の薄い前々走を加味すると、再び直線でもがく姿が自然な流れか。いずれにしても大目標はまだ先。
3番人気のルージュバックは前2走で牡馬一線級と互角以上の感触を得て確実に道が開けた。デビュー当初であまりにも楽に勝ちすぎたためにレースで得る経験不足から成長具合はほぼ平行線だった。勝ちパターンに持ち込みながらも直線びっしり追い比べとなったオークスを筆頭にどこか勝負弱いところがあったものの、古馬となってすべてのレースでほぼ完全燃焼を続けて飛躍的に成長を遂げた。スピード、瞬発力、競馬センスのすべてバランス良く備わっているマンハッタン産駒。一時的な勢いどころか、一戦ごとに見違えるほどの迫力、強さを示している。とりわけ前々走は牡馬相手に最速上がり。同日の500万より5ハロン通過が1秒1も遅い超スローとはいえ、唯一の上がり32秒台だから恐れ入る。前走も上がり33秒台はわずか3頭だけで最速上がり。いずれも斤量54キロの数字だが、ピークというほか言葉がないほど瞬発力に磨きがかかった。自身の地力と瞬発力はすでに超一級品。いいタイミングでの理想的な東京二千。大仕事の期待はますます高まる。
4番人気のアンビシャスもルージュとまったく遜色ない。入着ラインで一進一退の相手なりレベルだった頃はもう昔話。本格化の差し馬として完成して終い確実に伸びてくる末脚は地力と根性が加味されて凄みさえ出てきた。ひと叩きで距離ベスト。先々のGⅠよりも一番理想的な条件が揃ったからこそ、他馬よりも力が入る。昨年と今年の違いは数字にもはっきり表れている。今年初戦の中山記念でいきなり持ち時計更新。続く大阪杯では二千の上がり時計ベストを叩き出した。前々走は休み明け、レースを早めに捨てる鞍上、道悪など数々の悪条件が重なった結果で明らかに一過性のポカ。休み明け(020002)の中、前走が稍重で持ち時計に0秒7まで迫る好時計、自身の上がり時計ベストに0秒6に迫る数字がスケールアップそのものだろう。走るたびに馬体増はまさに成長分。シャープさを失わず、貫禄さえ出てきた好馬体となってGⅠで突き抜けても驚かない。
6番人気リアルスティールの前走は典型的な海外燃え尽き症候群だった。過去10年でワーストNo2の時計で前々有利の流れにもかかわらず、残り1ハロンで脱落。初距離というより、完全に瞬発力不足を露呈した結果に終わっている。なるほどここでも単純な上がり時計比較ではメンバーNo12。33秒台はわずか2度だけの経験で、ドゥラメンテに完全なる切れ負けや先行馬のキタサンブラックも差せないジリっぽさは、この馬の特徴として割り切るしかなくなった。前走は58キロが応えた可能性もあり、ひとまずスランプから抜け出すきっかけ造りまで。
7番人気のステファノスはどうか。海外ボケの心配はなくなりつつある好馬体だが、時計の数字には何ら成長が見受けられない。結局昔から評価の変わらない相手なりのレベル。持ち時計No2の数字があっても、二千(030011)、東京(110011)。丸2年以上も勝ち鞍がなく、勝ち鞍4勝のうち、3勝が直線平坦。唯一1勝が阪神の未勝利勝ちではどうにも強気になれないのが現実だろう。前走も直線バラけた展開にもかかわらず、残り300から100まで行き場を失ったのはラチ沿いにこだわりすぎたため。前がクリアになっても驚くような末脚を使えなければ、1、2着馬と同等の扱いはできない。昨年2着の鞍上と比較しても東京では格落ちが否めない。
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