8⇒10、9、1⇔10、9、1、7、4 (18点)
ゴールドシップの前走は正直信じられぬ敗退だった。"岩田お前もか"が正直な感想。ジャパンCの内田博、天皇賞のウィリアムに続く、弱気に乗った結果がそのまま直結した。どんな流れでも4角先頭から2、3馬身以内までが勝ちパターン。それ以上に置かれすぎると負けパターンになることは今までの敗戦から明白になりながら、超スローを直線まで大きく動かなかった。手応え十分でも向正から少し動いただけ。3角前には仕掛けるのを止めて脚をためることを選択する判断の悪さは理解しがたい。年齢的にも今年が勝負年。海外遠征に夢みて異色のローテとなって負のスパイラルに陥る可能性も否めないが、菊花賞馬回避でGⅡレベルの馬に前走同様にどう勝つかに焦点を絞りたい。
メイショウカドマツの逃げにラブリーデイ、カレンミロティック、スズカデヴィアスの先行勢。ラストインパクトの差し勢が構えるというレース前から隊列がはっきりしているメンバー構成で避けられぬ瞬発力勝負。スタミナに加えて切れ味を兼ね備えた馬がゴールドの相手になる。
ラストインパクトの前走は中山コース慣れしている騎手ならば、もっと際どいレースだった。超スローを必要以上な徹底待機で4角ギブアップの位置取りから、最後は脚を余すメンバーNo3の上がり時計で0秒2差。菊花賞は不良馬場の4着。天皇賞9着は0秒6差、有馬記念0秒2差で二千四以上(202103)どおりのスタミナ勝負に自信を増している。問題は重賞未勝利の鞍上がすべてのカギを握っているということ。騎手の依存度が高まる長距離戦で乗り替わりなしとなると信頼度は低くなる。
二千四で勝ち鞍はあるものの、ラブリーデイに三千挑戦はどうにもしっくりこない。当時スランプ気味だったダービー9着は度外視できても、超スローの上がり勝負となった有馬記念で惨敗。勝ち馬より0秒9も劣る上がり時計となった目黒記念は1番人気を裏切る着差以上の完敗。アルゼンチン共和国でも同じように長距離の上がり勝負に弱さを露呈すれば、偶然の結果ではない。自身の最高上がり時計、33秒6はそのまま瞬発力の限界を示している。
半数以上がクリアしている最高上がり時計は33秒前半ならば、スタミナに自信のあるメイショウカドマツは無視できない。1年以上のブランクから見事に復活。2頭の大逃げを3角前にマクって直線半ばで勝負を決める横綱相撲は以前のイメージ以上に凄みがあった。もとより3走前のダイヤモンドSは斤量差があったとはいえ、2着ジャガーメイルは香港ヴァーズ2着直後で、次走は天皇賞春6着。初の古馬相手の重賞で長距離適性の高さを証明している。完調が見込めるステップでもうひと花。 |