1、13、7
ノンコノユメは着差以上の強さで古馬を一蹴した。大井二千を2分5秒台で楽勝した数字にもかかわらず、重賞初挑戦の馬より人気が落ちるという不可解さでも結果は案の定、横綱相撲。2~5着まで直線入口、5番手以内の前残りを6戦連続の最速上がりで突き抜けている。瞬発力は陰るどころか、ますます磨きがかかって天井知らずの切れ味は世代交代もにおわせている。
前々走を単純比較しても絶対王者に食い下げれる根拠がある。お互いの同日C1の千六と千二で比較すると馬場差はジャパンDDの方が0秒3~0秒5ほど時計がかかっている。千八までの距離経験で絶対王者の時計に0秒5ほど劣る数字は、初コースと初二千なら上々ということ。エンジンがかかると異次元空間を生み出す瞬発力は直線が長くなるほど持ち味が活きてくる。まさに理想のコースと距離で古馬に引導。
その絶対王者ホッコータルマエは負けて強しの内容だった。海外遠征で燃え尽きる馬が多数出てきた昨今、再びGⅠの主役へと返り咲けるいいきっかけを作っただろう。折り合い不問のレース巧者が、道中珍しく少し行きたがる仕草。4角前から気持ちよく逃げていた勝ち馬を追いかける苦しい展開もあって、残り1ハロンで勢いが止まる完敗だったが、海外遠征や度重なる休養が重なった最悪なローテーションを考慮すれば悲観することはない。むしろいつも以上に控えて脚を測るような乗り方は、試走含みで確実にここへつながるいい"トライアル"ということ。休み明け(112110)から叩き2戦目(201000)。今度は強気に攻める。
コパノリッキーは自分のリズムを刻めばとにかくしぶとい逃げ馬だ。前走はほぼ単騎逃げ。3角過ぎからペースアップして直線は追うほどに後続を引き離す圧倒的な強さでGⅠ5勝目を飾った。残り1ハロンで勝負を決める横綱相撲。予想以上の変わり身だったが、2年前の東京大賞典より時計がかかったことも奏効したことも事実。2着馬に終始絡まれて前半11秒台を連発した前々走が案外淡泊な一面が、この馬の負けパターンということで割り切った狙いができる。同型に絡まれるかどうかで両極端な結果になりやすいが、ハナや前々にこだわるタイプが意外に不在という恵まれた相手。短距離型のコーリンベリーが必要以上に控えれば、前走の再現の可能性はますます高まっていく。いずれにしてもスタート直後の乗り方、選択が一番大事。 |