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交流重賞で上位常連が55`の出走。斤量差が少ない別定戦で格の違いは明らかだろう。ベルモントノーヴァ、パフィオペディラムにとって勝たなくてはいけない相手関係になった。ベルモントは浦和(5000)が強調点、切れる脚のないパフィは距離歓迎。アストリッドの前走は相手の大駆けで2着だが、約2年前の黒潮盃9着後はすべて馬券に絡む安定感。重賞経験が豊富なシーホアンは距離に活路。ミスジョーカーは確かな充実ぶりと器用さを重視。 芝に見切りをつけて本格化したナンヨーリバーの強さは本物だ。前々走は同日の1000万と同タイム。前走は前日の1000万より1秒2も速い勝ち時計が世代トップレベルの証。脚質から小回りで圧勝が浮かぶ。ピエナエイムはダートで2、3、1、5着。致命的なズブさで前走のような時計勝負になるとどうにも手が出ないが、瞬発力そのものはナンヨーにヒケをとらない。マヤノベンケイ、ウイントリガーに距離不安ならば、地元のパセティックシーン、ディアースパークル、バンバンバンクの出番。 シングライクバードにとって試練のレースになる。傷みのない芝のAコース使用。ある程度、好位の折り合いが絶対条件となっている馬場状態で、大外枠を引いた不運の追い込み馬は単よりも連軸向きか。世代トップレベルの瞬発力だけが頼りとなる。前走はペース無視で離れた最後方待機。まともに乗っていれば勝てたレースと思うのは当然で、ここをとりこぼすと次走でのコンビはなくなる。瀬戸際の鞍上が腕の見せどころ。 レッドアゲートは正直見た目に惑わされる小柄な牝馬だが、鞍上のうまさとマッチして本格化ムード。あと一完歩あれば差し切っていた前走で、能力の高さを決定づけた。すでに二千四百にもメドが立っているスタミナ兼備の切れ者で、馬群を苦にしない勝負根性がシングライクと違うところ。 これだけ差し追い込み馬に偏ったメンバーになれば、ごく普通に前々有利。好位追走のユキチャン、キュートエンブレムは重賞が初挑戦でも格下感はない。 前走の千八で掛かったスペシャルディナー、マイネウインクよりも徹底した中距離路線のカイゼリン、グラーフが魅力。ギュイエンヌ、カレイジャスミンはレベルの高いレース経験で混戦になれば底力を発揮する。 フィフティーワナーの前走は1、2着馬に目標になりやすいような展開になって打つ手がなかった。トップハンデ、間隔の詰まったローテーションなどマイナスな条件も重なって0秒6差は悲観することはない。キャリアからダメージの少ない6歳馬。別定戦で巻き返し。 ゲイルバニヤン、エスケーカントリーの上がり馬の勢いは脅威だが、層の厚いダート界ではやはり実績馬が強い。サンライズバッカスは昨年の相手比較からひと息入っても崩れるイメージがない。メイショウトウコンはサンライズ以上の充実度で本格化だが、展開負けの多い実績から信頼性に乏しい。ロングプライドは走る京都コースでも本質がマイラーで弱気。走りごろの叩き3戦目で軽いダートがしっくりくるキクノアローを穴に一考。 今週からBコースに替わってこの中間は内側にローラーをかければ内々の残り目。絶好枠引いたピースオブラヴを狙う。いぜん進化を続けている6歳牝馬。1000万が限界と思えたが、4走前で再び息を吹き返した。どうやら坂に弱点のある非力さ。前走は5`差あったディアデラノビア、アドマイヤキッスに接戦はハンデ差があったとしても、2着ニシノマナムスメとは1`差の斤量。その後マイラーズC2着の上がり馬に0秒2差ならば大きな自信になる。テッポーOKの仕上がり早は初戦が妙味。 同じレースでピースに先着されたが、勝ち馬を軽く上回った最速上がりのマイネカンナも能力互角。相手云々より自分の形に徹して一刀両断という追い込み馬は展開がカギ。 同じようなタイプのハロースピードはどんな流れでも直線勝負に賭けるだけ。ヤマニンメルベイユは福島(1020)の適性の高さが強調点だが、初の56`で微妙な存在か。今まではあくまで人気薄で好走の連続。 スタートによって結果が左右されやすいザレマは信頼性に乏しい。ディアデラを物差しすれば、タイキマドレーヌも侮れない。エリザベス女王杯は同斤量でディアデラノビア、アドマイヤキッスに0秒5差の頑張り。ひと叩きして前走良化で怖さ。アルコセニョーラはここ目標のローテーションで態勢万全。ある程度の器用さを求められるとトウカイオスカーは分が悪い。 重賞連勝で頭ひとつ抜けたマイネルチャールズは実績ほど評価が高くない。確かにレースぶりは地味。接戦の連続で派手な勝ち方は1度もないが、レースぶりそのものは着差以上に強さを感じさせている。ディープインパクトよりもシンボリルドルフに近いタイプということ。相手なりに動ける自在型は、ペースが上がれば自然と時計は短縮される。 雨か降る前からラチ沿いは荒れ気味の馬場状態。本番まで土日で芝のレースは8戦という多さで、使うごとに内々は馬場が悪化することが確実になった。波乱があれば馬場のいいところを通った外一気。ベンチャーナインの大駆けがあっても不思議ない。振り返るとデビュー3戦目の萩S以外はすべて最速上がり。デビュー2戦目はレコード決着の2着でキャプテントゥーレに先着。3走前は現実にチャールズ相手に金星まであと一歩だった。ペース無視の工夫のない乗り方で引っ張り殺された前2走ならば、差しが利くようになった馬場で再び輝きが戻るはず。ピッチ走法から道悪歓迎。 スズジュピターは休み明けを考慮すれば、前走の内容は悪くない。内々でじっくり我慢した折り合い重視の乗り方。手応えほど反応は良くなかったが、渋太い粘りから0秒5差は、流れに乗れば渋太いタイプであることの証でもある。同じローテーションだったキャプテントゥーレは前走まで千八のキャリア3戦に対してこちらはわずか1戦だけ。少なくても本番では着順が逆になることが容易に計算できる。二千にメドを立てたことは大きな自信。ダメージのない理想的なステップで大物食いを狙う。 スマイルジャックは現代競馬にマッチしている脚質が強み。流れに左右されない器用さで重賞で接戦の連続。ショウナンアルバに1勝1敗を含まれる通算(2320)は数字どおりに中身の濃い戦績。前走10`減の目イチ勝負と未経験の二千で評価が揺れるが、前々勝負になれば大きく崩れることはないか。まずは馬体回復から。 ショウナンアルバは多くの課題を抱えたままに本番突入。無理矢理抑えようとして失敗した前走でリズムはさらに悪くなったか。長所を伸ばすか、短所を矯正するかだが、どうにもならない気性難は後者を選んだ時点でトライアル戦としては中身の薄い内容になった。GTのスタンド前発走、距離延長の大外枠で前走以上に乱れることが予測できる。 フサイチアソートは徹底した休み明けらしい乗り方だった前走に収穫はなかった。大物感のない馬体はどちらかといえば非力に映る子供っぽさ。頭の高い走法からも完成度の低さは否めない。再び馬群の中での折り合いになる内枠を引いて策がなくなった。 ブラックシェルは輝きを失っている鞍上で評価を下げた。GTでは特に必要以上に控える競馬が続いている現状に強調点がない。前走も皐月賞出走圏が命題になっていた中で、いつでも動ける位置取りながら予想以上に仕掛けが遅かった。いつもより鋭さ不足と感じれば、さらに後方待機の作戦に出るか。馬自身も前半で掛かる仕草が出て、相変わらず鞍上とのリズムの悪さを露呈している。大跳びで弥生賞時より馬場悪化にもプラスがない。 フローテーションは全兄ダイイチアトム、全姉スペシャルフロートが道悪で惨敗実績。3走前は馬場、前々走は休み明けがすべてならば前走が能力基準となる。強気の鞍上を配していつでも動ける外々での折り合い。スタミナ勝負も願ってもない好条件だ。 キャプテントゥーレの前走はゴール前に失速した内容をどう判断するか。休み明けで割り引くか、血統どおりのマイラーか。いずれにしても着差以上に能力差を感じさせれば、ほぼ勝負付けは済んだということ。逆転のイメージが浮かばない。 馬場とのイメージが合うレインボーペガサスは条件好転。前走はスローに泣いた展開負けで、主戦に戻って巻き返し。タケミカヅチの前走は3角手前まで完全に掛かったリズムの悪さだったが、直線で盛り返した内容に底知れぬ強さを感じた。乗り替わりは心強い。ダンツウィニングは血統的なパワーが魅力。母はロジータの仔、南関東で重賞勝ちのテーケーレディー。 ドリームジャーニーがようやくベストの距離に登場で流れを引き戻す。明らかに距離の長かったクラシックでも着差はごくわずか。徹底した追い込み策だが、ためれば不発のない豪快な逆転劇は休み明けでも無視できない。馬体から距離適性、ピッチ走法から道悪巧者と判断した。 あれだけ置かれていたカンパニーが前走で驚きの前々競馬だったが、それまでのズブさから連続好走が浮かばない。意外に良績のない千六(2005)も気がかり。 エイシンドーバーの前走は着順から人気の盲点になっただけ。GTで入着ライン。GU、GVで常に上位接戦の実績ならば走って不思議はなかった。走る阪神コース、距離短縮となって前走よりも自信度が増す。 コンゴウリキシオーは負けすぎの前走だが、阪神(1110)と千六(1101)で浮上のきっかけをつかみたい。好調続くハイアーゲーム、変わり身期待のキングストレイルは混戦浮上。 超ハイレベルの京浜盃が今年の3歳世代の凄さを物語っている。クラシックに一番近い基準レース。勝ち馬ディラクエは別格で、2着馬ディアヤマトでも破格。3着馬ロイヤルマコトクンが例年の勝ち馬レベルならば、自分の形ではない好位差しからロイヤルに0秒4差のモエレラッキーが千六で巻き返す。逃げ争いの直後で折り合って時計勝負で完封。 ギャンブルオンミーはメンバーNO2の上がり時計でモエレに先着した。千八の距離経験が強みになったとしても中身のある一戦。鞍上配置から前々走以外、すべて掲示板の安定感以上に凄みが出る。バルバンクールはJRA遠征で確かな手応えをつかんだ。前走は後のニュージーランドT馬サトノプログレスに0秒6差。好位差しが固まれば2歳時のようなモロさは出ない。逃げ馬揃いでオーラガイア、ビービーダークライ、キングサラディン、ドリームスカイの差し脚。 オディールは最高のトライアルレースを経験した。出遅れたが、必要以上に控える競馬は初めから想定内か。鞍上は本番を意識して千六の脚を測った乗り方で、まさにトライアルらしいステップとなっている。昨年のチューリップ賞でウオッカに対して脚を測ったダイワスカーレットとまさにダブる。ジュベナイルは典型的な追い込み競馬で唯一、前々から粘ったのがこの馬。着順より中身の濃い内容は、勝ち馬以上の価値がある。時計の裏付けがあって、底力を問われるようなサバイバルにも強さ。自信を持って本番に挑める。 エイムアットビップもある意味、収穫のあったトライアルになった。行く気はなく、前々走の差し脚を再度試すような乗り方から、3角手前まで掛かって完全にリズムを崩した折り合い。直線外へ出して一瞬伸びかかったが、直線半ばにはすでに急失速の内容。これで鞍上も先行馬と確信しただろう。ハナを主張するのがデヴェロッペだけで前に行きたかったポルトフィーノが取り消し。ますます前々競馬が強まった中で、好枠から再び徹底先行が当然の流れ。レコード勝ちが含まれた千二、千四の最速持ち時計が示す世代トップのスピード馬は、人気が落ちれば失うものはない。対オディールは3戦2勝。前走で8`減のオディールに対して太めのなかった10`増が成長分。叩いて確実に上向く体調面の良さで逆転が浮かぶ。 トールポピーは2歳女王としても絶対的な存在でない。前走は好スタートから好位差しに徹していくらか行きたがっていたが、4角は絶好の位置取り、手応えも十分。それでも勝ち切れなかったことに不満を感じさせる。休み明けで割り引くべきか、流れに応じて動けるレースセンスの良さを誉めるべきか。いずれにしてもメンバーNO4の上がり時計は、ひと息入れて成長力の度合いとしては乏しい材料。大きく崩れるようなタイプではないが、自ら動いて勝ち切るような力強さがほしいのが現実。ワイド向きか。 リトルアマポーラの前走は数字ほど細く映らない12`減となったが、レースでは力の違いをみせつけた。道中は折り合いに専念して直線外へ出して一気の差し切り。さすが前々走でマイネルチャールズに0秒2差の実績。距離経験のなかったタフな二千で結果を残せば、牝馬限定戦の千六では当たり前の結果ということだろう。ジュベナイルよりもレベルの高い前々走を経験して4戦3勝のエリート馬は、自然流の折り合いで上位有力。 エアパスカルの前走は恵まれすぎた。ニュー阪神コースになってペースが遅かった昨年の桜花賞より1秒ほど遅いペース。ジワーと3角手前でハナに立てたような展開は、いくらスローペース依存症の近代競馬でも桜花賞ではありえない。前々走は当日のダート変更で論外だが、3走前の1、3、4、5着馬は次走でワイドを外していることからレベルの低さが決定的になった。単純計算で他馬にまったくかなわない持ち時計、見るからに非力な馬体など強調点がみつからない。前走以上にスピード、パワーが求められた時点でレースが終わる。 先週まではブラックエンブレムが本命だったが、1週前の入厩の賭けは、もろくも失敗の方向に傾きかけている。今週の追い切りがキャンターに終わるという一大事。記憶をたどってもGTで本追い切りをキャンターだけの好走馬が浮かばない。好位差しが固まった前々走、二の足を使って着差以上の楽勝になった前走から、まともなら桜花賞で勝てるほどの資質の持ち主だが、おそらく馬体減の登場で見限りたい。数字が大きくなればなるほど比例して単、連対、ワイド、入着の順で遠のいていく。 ソーマジックは意外なほど人気がない。充実を示す3連勝で完成度はかなりの高さ。デビュー戦は逃げて失速だが、続く未勝利戦は好位から先行抜け出して2着。初勝利は直線一気の差し切り勝ちが成長力の凄さだろう。初芝だった前々走も3戦連続となる最速上がりで駆け抜けた。徹底した待機策で掛かることもなく、折り合った前走も抜群の反応から後続を完封すれば標準レベルの能力ではない。時計不足の不安よりも、一戦ごとにパワー、レベルアップしている勢いが魅力。 前走は着順のマジックで人気の盲点になったマイネレーツェルだがフェアリーS0秒2差、紅梅S0秒3差、エルフィンS0秒6差で、展開がはまれば常に上位可能な手応えはあった。4戦ぶりの最速上がりで2着から7着まで2勝馬ならばフロックでもない。理想的な追い切りを消化して馬体増になれば文句なし。 シャランジュも不気味な存在になっている。前々走はテンションが高めで休み明けらしい敗戦。前走も前半で掛かり気味になったが、マクり気味に動いて4角で大外ブン回しのロスがあって0秒1差に秘めた能力を感じさせる。ジュベナイル0秒3差ならば展開ひとつ。 レジネッタは母がダート千八1勝、通算3勝のすべてが二千以上の兄アエローザがデビュー2連勝でクラシックに乗りかけた素質馬。ここでも見劣りしない血統で優れたレースセンスがうかがえるが、馬体からどうにもトーンが上がらない。前走も抜け出すまでの脚は速かったが、そこからもうひと伸びがないパンチ不足。見るからに非力で気性面も幼さを残す成長途上の若駒という印象がさらに強まった。外枠を引いて確実に外々での折り合い。内枠でロスなく乗れた千六好走のジュベナイル、エルフィンと条件面は雲泥の差。 ベストオブミーは昨年暮れからの成長株。コンパクトにまとまった馬体、馬群でもひるまない勝負根性、久しぶりの芝も問題なかった2戦続けて最速上がりは、ブライアンズタイム産駒らしい勢いがある。行き脚のつかないズブさで距離延長は間違いなくプラス。 前々走4着で早々とクラシックを見切ったゴスホークケンは不動の中心馬となる。抽選出走、最内枠、単騎逃げなど幸運が重なった前走としても、前日の1000万を0秒6上回った数字でレベルの高さがうかがえる。さらに最速上がりのオマケ付き。単調な逃げ馬ではないことを示せば逃げ馬が揃ってもまったく動じない。 アサクサダンディの前走はまさに鞍上のミス。11秒台がわずか1度だけというレースラップの中で不可解な仕掛けの遅さ。4角手前から一気に行けばなんとかなる手応えだったが、スペースがあるにもかかわらず我慢したことが致命傷なった。まったくペースを読めなかった鞍上の判断ミスでとりこぼした一戦だろう。ショウナンアルバとは常に接戦。重賞並みのメンバーで横綱相撲だった前々走が能力基準となる。乗り替わりでうっぱん晴らし。 ダンツキッスイは強気の逃げがしっくりくる。ダート経験が刺激となったか、前走はハイレベルの時計決着で逃げ切り勝ち。勢いは脅威。エーシンフォワードは高いレベルの前走を経験して時計勝負にメドが立った。 小回りコースを目の覚める瞬発力で制したダノンゴーゴーは、強烈な千二勝ちが生粋のスプリンターを示している。末脚が不発に終わった3走前が現状の距離適性。 主役不在の牝馬路線は実績よりも勢い。前走は牡馬相手に接戦だったローブデコルテ、ジョリーダンス。4戦連続で連対中のエイジアンウインズ。クラス慣れしたパーフェクトジョイ。スローに泣いたピンクカメオの前走はマルカシェンクに0秒2差ならば連闘で不気味。 ダイワスカーレットは昨年牝馬限定のGT3勝だが、暮れのグランプリ2着で牝馬最強から現役最強に近づいている。まったくモロさをみせない先行馬という珍しいタイプ。裏を返せばそれだけ能力がケタ違いということ。4歳馬の成長力を加味すれば、前走から3`増の56`でも問題なく、牡馬の一線級相手に太刀打ちできる。掛かり気味の折り合いから不発のない末脚。距離不安のあった前走で正攻法から0秒2差ならば、(2000)の距離になって強きの攻め。強力な逃げ馬を大名マークでレースがしやすくなれば軸は不動か。時計、コース、距離に死角なし。牡馬相手になっても充実した4歳牝馬に壁はない。 メイショウサムソンは鞍上とのコンビ間の悪さだけが目立ってきた。天皇賞は自ら切り開いたわけでもなく、内々で我慢していたら直線で前がぽっかり開いただけ。スローペースを不可解な後方待機の前2走は、最近の鞍上がペースオンチになっていることの証でもある。ごく普通に負けられない相手であるが、どんなレースでも鞍上が必要以上に控える競馬に徹している現状では狙いづらい。ここで勝てなければ元の鞍上に戻すのが賢明。 低レベルだったディープ世代よりも今年の4歳牡馬は下回るか。菊花賞馬アサクサキングスは59`を背負って古馬の一線級相手に接戦のイメージが浮かばない。菊花賞3着馬ロックドゥカンブが有馬記念4着はあくまで53`の軽量が生かされた結果。エイシンダートマン、ドリームジャーニー、フサイチホウオーがまったく歯が立たない近況からも試練をむかえる。 インティライミも前々で攻めれば面白かった前2走で後方待機。前々走はサムソンマークが大きなミス。前走も同じように消極策が裏目に出て、2戦連続でスローペースに泣いた。徹底した逃げ先行馬不在でもこだわり続ける差し競馬。脚質転換が成功した昨年の2連勝が逆に大きな足かせになっている。3歳時まで前々で完全燃焼だった先行馬は、状況をみて積極的に動けばいいものの、チームオーダーなのか、スタート直後から決め打ちの乗り方で明るい未来はない。2分を切る決着になって差し競馬が通用するかは疑問。 軽量だったとしてもサンライズマックスの前走は時計的に認めていい重賞制覇になった。前2走で最速上がりは、ますます切れ味に磨きがかかっている証にもなっている。ひと息入ってどこまで馬体が成長するかがポイント。中距離のスペシャリストとして成長中。 ドリームパスポートは鞍上の甘さが目につく。まったく噛み合ってない前2走から、どうにも一変が難しくなった現状。好位差しから不発のない瞬発力というイメージが強かったが、乗り替わってから鋭さ負けが続いている。前走の追い負けは評価を変えなければならないほど着差以上の完敗。距離短縮である程度の良化は期待できるが、同じコンビでは強調点に乏しい。 スローペース依存症はGTに限らずGU、GVでも変わりない。前走が展開負けだったマルカシェンク、ピンクカメオは前々決着であれだけ控えれば連対も遠くなるのは当然。心強い乗り替わりで輝きが戻ってくる。サイレントプライドはローレルゲレイロを物差しにすればGV57`は恵まれた。逃げ馬不在でチョウサンが徹底先行。充実ぶりの目立つリザーブカードも虎視眈々。オーシャンエイプスは破格の瞬発力で3連勝。必要以上に控える競馬続きの鞍上から乗り替わりは悪くないが、同じような乗り方では確実に重賞相手に壁ができる。ある程度前々で攻めたい。 メイショウバトラーは自身の衰えと勝負になってきた。明らかに昨年の4連勝時よりスピードダウン。東京盃、JBCスプリントは良績のない千二で納得の惜敗だがクイーン賞2着、兵庫ゴールドT3着は負けられない相手でとりこぼしている。年齢的にも正念場。 ベルモントノーヴァは一瞬の切れ味が千六ベストということ。パワーが求められる大井外千八はどこか淡白になっている。昨年スパーキングレディーCでメイショウバトラーに次ぐNO2の上がり時計から2着馬と0秒2差。当時よりも重賞経験が豊富になって55`ならば決定的な差はない。 モロさ同居で波のあるパフィオペディラム、ラピッドオレンジは展開に左右される。久しぶりの千六となるサヨウナラは57`を背負って時計勝負に課題。頼りない主役では初ダートになるショウナンタレントが強気の逃げ。ここで軌道修正があっても驚きはない。 |
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