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ディープスカイは世代最強馬の評価に変わりない。距離不安のあったダービーで横綱相撲。NHKマイルC経由のステップで二千を経験していなかった唯一の馬となったことからも凄さがうかがえる。GT2戦連続で最速上がりの爆発力は、次を見据えるステップレースでも不発に終わることはないだろう。三千となると改めて距離不安が出てくるが、同じ二千四百で二冠馬のポカは許されない条件。じっくり折り合い重視で挑む。 オウケンブルースリは前走で子供扱いしたダイワワイルドボアがセントライト記念を勝って評価が急上昇。確かにレースレベルの低さは否めないが、直一気の豪快さは上がり馬らしい勢いがある。前々走の相手はその後3頭が500万を勝ち上がるレベルの高さ。5戦中4戦が最速上がりの瞬発力は一線級相手にどれだけ通用するかがポイントになる。 セントライト記念のマイネルチャールズ凡走でディープ以外のクラシック路線組は微妙になってきた。スマイルジャックは皐月賞が一過性のポカとしても、勝ち味の遅さは血統譲り。母シーセモアはビリーヴに先着実績のある期待馬だったが、(18118)という数字がダービー2着でも強調できない弱み。あくまでもワイド馬としての評価。 ブラックシェルは重賞で苦戦の続く武豊騎手に乗り替わったのが運の悪さか。必要以上の待機策から追い込み馬として固められて、自分自身で壁をつくったイメージが強い。ここでも間違いなくディープより後方の位置取りだが、追い比べですでにはっきり白旗状態の力関係。休み明けでエンジンのかかりが遅ければ、掲示板も危なくなる。 ミッキーチアフルの2連勝は意外だったが、前走の時計は同日未勝利より劣る数字である程度納得ができた。上がりラップに11秒台のない平凡な数字がレースレベルの低さを決定づけた。前々走も同じ良馬場で翌日の未勝利より劣る時計。一線級に太刀打ちできるほど中身が伴っていない。 セントライト記念は1000万で連続3着だったダイワワイルドボアが勝てば、ひとつの基準は1000万で勝ち負け。ナムラクレセントは相手比較からも優位に立てる。前走で競り負けした相手はラジオNIKKEI賞で脚を余して4着だったスマートギア。走るたびに馬体増の成長力は春当時と比べ物にならないぐらいの勢いがある。デビュー3戦目だったきさらぎ賞でスマイルジャックと0秒3差、ブラックシェルとは0秒1差の僅差。経験、成長度合いを加味すれば、ごく普通に逆転が浮かぶ。 春当時と同じような乗り方で不安が増すベンチャーナインは、今後につながる競馬を期待したい。ヤマニンキングリーは母が千二以下で2勝。姉ヤマニンメルベイユは父がメジロマックイーンで千八〜二千がベストの中距離馬。ここが試金石になる条件では強気になれない。穴ならばデビュー当初は評価が高かったアインラクス、フローテーション、モンテクリスエスか。 マツリダゴッホの前走は脚質的に仕方ないと割り切れない敗戦となった。前半58秒4のハイペースを仕掛けを我慢できずにいつも以上の早仕掛けとなった駄目騎乗。GVでも苦戦の続いていた馬に競り負けたのは、あくまで鞍上のミスと強調したい。グランプリホースが同斤量で負ける不甲斐なさ。相手が上がってミスが許されなくなるほど鞍上不安が増してくる。ここで再度ポカがあればコンビ解消の危機。2`増で時計勝負が要求される馬場状態。前走よりも確実にハードルは上がっている。 マイネルキッツは上がり馬らしい上昇度で重賞制覇も時間の問題となった。4走前に1600万を勝ち上がったとは思えぬ重賞5、3、2着は走るたびに時計短縮。来週から騎乗停止が待っている鞍上も力が入る。 キングストレイルが走りごろか。いよいよ輸送競馬になって本領発揮となる大型馬。今までにない夏場のフル稼働だが、久しぶりの中距離戦で盲点になりそう。もとより同じ舞台のセントライト記念勝ちの実力馬。距離、相手を問わず4戦連続の掲示板確保は最近にない安定感で、崩れないタフネスぶりは穴馬の資格。 エアシェイディは衰えが見え隠れしてくる7歳馬。年齢ほど使い込まれてないが、7歳のひと息後はさすがに気配優先か。いずれにしても最速の持ち時計と中山二千二百(1102)の絶好の条件。シャドウゲイトは完全に目先の賞金を追いかけて深刻なスランプに入ってしまった。不可解なダート路線への変更。3走前にはっきり一線級相手に手も足も出ないことが証明されても徹底した交流挑戦で完全にリズムが狂った。6歳にして再び芝路線はすでに手遅れになる可能性。長期休養明けを叩いて3戦目のアドマイヤタイトルは、強引なマクり競馬となった前走0秒8差で復活のメドは立った。 サカラートは鞍上のコース適性を除けば、ほぼ完璧に近い条件が揃っている。千八(2215)は中止となった1戦を除けば、負けても0秒7差という安定感。ダイオライト記念比較でフリオーソが斤量3`増、ボンネビルが2`増の中、56`にも恵まれている。地方交流1、1、4、3、3、3、1、2着。船橋コース1、3、3着。叩き3戦目のローテーションでワイドを外すイメージが浮かばなくなった。鞍上のポカさえなければ、確実に勝ち負けまで。 ボンネビルレコードはよほど美浦の水が合うのだろう。大井在籍時は南関東限定戦で重賞4勝、交流戦でまったく歯が立たなかった格下馬が大変身。トレード後は交流重賞4、1、4、2、1、2着。中でも昨年の帝王賞、前々走のかしわ記念の差し切り勝ちは衝撃的だった。ますます末脚に磨きがかかった瞬発力。470`平均の馬体が490`に達する充実ぶりが成長を示している。行きたいタイプが揃ってこの馬向きの展開になることは間違いない。 フリオーソは乗り替わりで評価を落とした。スーパールーキーでもさすがに自分でペースをつくる逃げ馬はまだまだ未熟。これまで重賞2勝はあくまで徹底マークで道が開けただけだった。同厩のナイキに競られることはなくても、行くしかないナンヨー、行きたいキングスに絡まれることは確実。展開に恵まれた帝王賞とは一変して厳しくなる。 サンライズバッカスは交流重賞5、3、5、3着。昨年のかしわ記念では同斤量のボンネビルに0秒1差、JBCクラシックは2`増でフリオーソに0秒2差など、斤量が逆転すればごく普通に上位有力候補。鞍上のコース適性がカギ。 ナンヨーリバーは前々走の失速から距離にはっきり壁がうかがえる。前走は3着馬に0秒7差。超ハイレベルなレースを経験してひと皮むけた逃げ馬は、強気に行って勝ちにこだわるか、控えて新たな一面を見出すか。いずれにしてもフリオーソの出方次第。 ダイバーシティの前走は多くの誤算と疑問があって3着。まずは数字以上に細く映った馬体。デビュー比較で12`減からも体調の狂いが伝わってくる。レースでは大外枠からあえてラチ沿いを選んだ折り合いも理解に苦しむ。当日は内側が荒れ模様の馬場状態。案の定、この馬以外の上位馬はすべて外を回っていただけに着差からも悔まれる。それでもゴール直後には2着馬を交わしていた瞬発力が底力ということ。心身ともにリフレッシュで貫禄負けを取り戻す。 マイネルチャールズは距離を嫌って軽視したい。馬体の成長を期待した前走だったが、ますます雰囲気がマイラーよりに完成されてきた。コロンと映る見た目にどうしても距離の限界の近さを感じさせる。全姉マイネヌーヴェルも二千をクリアしたのは2歳時だけ。古馬になってから二千より千八ベターの差し馬として評価が固まっていた。ここは大事なターニングポイント。 クリスタルウイングの前走は強行軍のステップが最後に響いた。デビュー戦から中1週で2戦。いつでも反動が出てもおかしくないローテーションで当然といえば当然か。デビュー2戦連続で最速上がり。3走前、前々走でメンバー中NO2の瞬発力を誇っていたが、前走で6番目の数字が疲れを物語っている。早熟とは思えぬ血統の良さから改めて春当時の快進撃を重視したい。 タケミカヅチは王道路線で結果を残してきた実績馬だが、いずれも内々でまったくロスなく折り合えた展開の利もあったことは事実。いい脚がほんの一瞬という差し馬は、大外枠で真価を問う。 キングスエンブレムは裏街道を歩んで、結局クラシック出走の果たせなかった格下馬。さらに鞍上は重賞になると差し競馬を意識しすぎてとりこぼしの連続。今年わずか重賞2勝という不甲斐なさでは狙い目がない。 ノートアローンは逃げ馬不在の展開の利と馬場の荒れたレースで出世してきた。底力を求められると分が悪い。人気馬に盲点があれば上がり馬の台頭。1000万を基準にしてキングオブカルト、ネオスピリッツ、ダイワワイルドボア、ロードニュースターまで。 低調な相手になってレジネッタはとりこぼせないレースとなった。相変わらず馬体の細さが気になるが、初の古馬相手に遜色のなかったメンバーNO2の上がり時計。いいリフレッシュとなれば、同世代の牝馬限定戦で無様なレースにならない。 他のクラシック出走組はどうもアテにできない。トールポピーは本番だけの完全燃焼型。激走すると疲れの抜け切れなかった春当時の体質はひと夏を越えて大幅に変わることはない。いくらか成長してもここで全力の競馬の必要もなく、次につながるレースをするかどうか。 オディール、エアパスカルは血統、成績からどうしても距離に壁があるマイラーとしてのイメージが強すぎる。脚質的も極端な結果か。ブラックエンブレムは桜花賞が早め入厩の奇策が裏目、前走はオーバーワークで16`減。まともな仕上がりが期待できない現状では強気になれない。距離の裏付けのあるムードインディゴ、メイショウアサガオ。展開の利でダイワスピリット。前走で古馬相手に接戦したトラストパープルは成長力が魅力。メイショウベルーガは一発を秘める追い込み馬で展開ひとつ。マイネレーツェルは馬体の成長が前提となる。 ドリームジャーニーは長い低迷からわずか1戦だけの激走で評価一変。すべてにはまった追い込み馬としては危険な人気馬となったが、相手は重賞3戦目のキャプテンベガ、重賞で入着ラインレベルのニルヴァーナ程度ならば嫌うこともないか。GTを狙うにはまだまだ裏付けのない2歳チャンプはここで能力を測りたい。キャブテンベガは阪神(1210)が強み。完全復活に時間がかかっているが、トーホウアランは入念な追い切りと乗り替わりで変わり身十分。アドマイヤメインはリフレッシュで悪いイメージから抜け出せるかどうか。 重賞で苦戦が続いているニルヴァーナはどうしても格下感が否めない。鞍上、血統から人気先行で妙味なし。ホワイトピルグリムはつかみどころのない一発屋タイプだが衰え先行のエリモハリアー、メイショウカチドキより怖さがある。 次を見据えてのステップレースとなるスズカフェニックス、ファイングレインは斤量的にも当然無理をしない乗り方になる。ここで確実に賞金加算したい上がり馬にとってチャンス十分。3戦3勝で挑戦したスプリングソングのNHKマイルは単なるキャリアの差。サトノプログレス、サダムイダテン、レッツゴーキリシマなどそれまで重賞で勝ち負けしてきた実力馬に先着は、着順以上の価値の高さを示す結果。破格の時計と爆発力で圧倒した千二ならば、古馬相手でも力が入る。マルカフェニックスは順調なローテーションが強み。平坦巧者のイメージは強いが、休み明け3戦の内容は以前よりスピード強化の手応えがある。実績上位のジョリーダンスはコース適性の高さ。頭の高い走法から距離短縮はむしろ好材料。カノヤザクラ、スピニングノアールは坂のあるコースで真価が問われる。アポロドルチェは時計の裏付けがない。 暴走気味の積極策が好走条件のダンツキッスイにとって願ってもない馬場。惨敗覚悟で強気に行ってどこまで粘れるか。共倒れを恐れて絡む馬はなく一人旅が濃厚。レッツゴーキリシマのクラシック時は一時のスランプ。朝日杯2着を含めてマイル以下の良績は、明らかに距離に限界のあるスピード型。恵まれた斤量で怖さが出た。サトノプログレスは中山千六(3100)。負けた4戦の勝ち馬はフサイチアソート、マイネルチャールズ、アサクサダンディ、ディープスカイ。高いレベルで経験してきたマイラーは、古馬相手でも格下感はない。同じ3歳馬でもゴスホークケンに魅力を感じない。ハナに限定された単調さで、負けっぷりはいかにも成長途上の若駒という低調な内容。癖馬が乗り替わりの連続もプラスなし。マイケルバローズ、リザーブカード、マイネルフォーグが古馬の意地。前残りの時計勝負では打つ手のないキストゥヘヴンは展開負けが浮かぶ 距離も斤量も問題ないメイショウトウコンが連覇にリーチ。札幌千七(3100)、ひと叩きのローテーションで死角らしい死角がない。距離がギリギリのフェラーリピサは展開に左右される。叩き3戦目の大型馬マコトスパルビエロはパワー勝負になって真価。路線変更が吉と出たニシノナースコールは乗り替わりで魅力十分。ドラゴンファイヤーは初コースで割り引き。トーセンブライトは年齢的に大幅な上がり目が望めない。前走が一過性のポカと割り切ってナナヨーヒマワリがリフレッシュで変身か。 ジルグリッターの前走はあきれる乗り方でも、0秒1差が能力の高さだろう。まともなスタートながら意味もなく注文をつけて最後方待機。すでに勝ち負けまでギブアップになるような位置取りから向正で仕掛ける大マクりは、今までのレースぶりからも不可解そのもの。勝ち馬が逃げ馬の直後での折り合い、3着馬が逃げ馬の外々で先行抜け出しからも厳しい展開だったことがわかる。まともな騎手に乗り替われば勝ち方が焦点になるような力関係だが、再び同じようなミスをする可能性は乗り替わりがない限り確実に今後もある。素直な気性でスローでも掛かることがないセンスの良さは、距離延長もまったく問題ない。鞍上不安だけ。 リュウノキングダムはギャンブルオンミーに完封、マキノスパークに接戦など、前走ぐらい走って当然の2歳時の実績。千八惨敗の悪夢から立ち直って、前走は最速上がりの横綱相撲で本格化を示した。ジルグリッターとの勝負付けは終わってない。 評価の低いエルセウスが妙味十分。春の千八JRA交流ではオンリーパワーに1秒6も先着して快勝。レベルの高かった前走で時計勝負にメドが立てばスローの上がり勝負になりやすい川崎二千百はベストに近い条件か。前走の最速上がりで瞬発力に磨き。 マイラーの伏兵馬が揃ったが、ヒカルマドンナはB1相手に結果を残した格上。ミサトアンバードは勝ち馬よりも手応えがあった前走で淡白な失速がスタミナ不足を示している。ボストンフラッグは余力十分で快勝した前走でB3卒業が確約された上がり馬。モロさ同居のオンリーパワー、キングサラディンはマクり合いのサバイバルになるとますます厳しくなる。大穴候補は道営時代に千七で好時計2着のコンフィダント。鞍上配置からも力は入る。 ゴールドスパークルの前走は時計以上に凄みがあった。道中はノメり気味で行きっぷりが悪かったが、直線入り口では追い出しを我慢するほどの手応えの良さ。直線半ばで前がカットされる不利がありながら、ギブアップすることなく一気に差し切った上がり33秒9の爆発力は見た目以上に迫力があった。雨量が多くなると不安だが、稍重までなら我慢できるはず。 良血魅力のダイワバーガンディは母が桜花賞3着までにデビュー1、1、2、1着の早熟型。かなり外々を回った前走なら一気の距離延長は血統的にも不安材料にならないだろう。仕上がりひとつ。距離を求めてきたセイウンワンダーは上がり11秒台のレースラップを差し切った前走内容が着差どおりに中身が濃い。初戦の相手も2戦2勝となったツルマルジャパンで、3着馬と実に9馬身差がレベルの高さを物語っている。 ガンズオブナバロンは前走圧勝だが、いくらか強行軍のステップで割り引いた。そのガンズをデビュー戦で負かしたマッハヴェロシティが人気的に妙味十分。母はメイショウボーラーの全姉という良血。距離と芝にメドが立てば素直にガンズを上回った瞬発力を評価できる。 レベルの高いレースを経験したバンガロールは、母がシンボリインディの妹らしいレースぶり。センスの良さはむろん千六で減点なし。ツクバホクトオーの母ステファニーチャンは早熟型でGU2着、GV3着。デビュー戦の勝ち馬が函館2歳S3着馬なら人気ほど見劣りしない。 ツルマルジャパンは千六→千四→千二で最内枠。徹底先行での2連勝だけに外から被された際の不安は残ったが、レコード勝ちで他馬を退けた前走はまさに2歳馬離れの強さ。スタートで勝負が決まる。 同じく2戦2勝のデクラーティアも負けてない。なにより逃げにこだわらなくなった自在性が強みになって逆転候補。前走は同日の1000万とわずか1秒差なら時計的にも納得できる。モマれない大外枠からツルマル目標に絞って徹底マーク。 母は2歳戦でシーイズトウショウに先着実績のあるエリモプリンセスも侮れない。前走時計が優秀なワンカラット、メイクデュース。豊富なキャリアが魅力のノアウイニング。良馬場になればさらに時計短縮の手応えがあるマルカゼウス。先行争いが激しくなった際でシルクナデシコの差し脚。
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