1⇒15、16⇒
15、16、2、6、14、13、4、17 (14点)
15⇒16、2、6⇒
16、2、6、14、13、4、17 (28点)
前走でキズナの能力そのものを疑いたくなった。どこかで評価のズレが生じている。下方修正するためにも改めて過去のレースを振り返りたい。
へぐりに近い乗り方でラジオNIKKEI賞と弥生賞を取りこぼしでクラシック出走に黄色信号。毎日杯を勝ったがローテーションの厳しさから皐月賞をスキップ、地味な裏街道からようやくダービー出走にこじつけている。ここまではいかにも相手に恵まれて勝ち星を積み重ねたという戦績。そのダービーも近年稀な低レベルだったことはメンバー比較からはっきり示されている。早仕掛けで格好の目標になったエピファネイアを差し切り勝ち。2着エピファはジャパンC制覇で気を吐いたが、4着ペプチドアマゾンは1000万を勝てない現状。5着ロゴタイプはダービー後10戦して勝てないレースが続いている。6着テイエムイナズマはその後15戦以上で1600万1勝だけ。
昨年の天皇賞春も微妙だ。レース中の骨折の可能性が高いとはいえ、ホッコーブレーヴと同じ上がり時計ではスタミナも切れ味も超一流馬と言い難い。母父ストームキャットの代償はやはりスタミナ不足であることも頭をよぎる。
凱旋門賞4着も錯覚を助長させる大きな要因だろう。所詮欧州の芝、ダートと日本の芝、ダートはまったくの別物。4つのカテゴリーとして考えなければならないことは過去の歴史が示している。ジャパンCで来日する欧州一流馬は日本で一流になれず、日本の一流馬は欧州で一流になれないという単純な計算が成立している。日本馬のドバイWC制覇は当時オールウェザー馬場だからこそ掴めた栄冠で、再び馬場がダートに戻ればほぼノーチャンス。今年のホッコータルマエ惨敗で改めて痛感している。
帰国直後の大阪杯快勝だが、2着馬がそれまで2年近くも連対のなかった7歳馬トウカイパラダイス。レースレベルの低さは決定的で、デビュー当初より勝ちっぷりに派手さがなくなってきたことがうかがえた。
前走の着差以上の完敗でキズナの能力に誰もが疑い始めただろう。ディープ産駒の不良馬場で確かに条件は悪かった。それでもダービー馬がGⅠとはいえ、わずか重賞1勝の牝馬に子供扱いされたことで一気に株を下げている。前々走がじっくり乗りすぎて遅仕掛けが布石となって、前走は一変して早仕掛け。またも鞍上の勝負勘の狂いを露呈した格好だが、負けても接戦が最低ラインの相手に手も足も出ない完敗は許しがたい。相手は休み明け、こちらはひと叩き。余裕残しの仕上がりときっちり仕上げたローテーションの利もあってだからこそ、能力そのものを下方修正しなければならない。
いずれにしてもダービー後、古馬相手に日本で勝ったのは大阪杯だけ。典型的なゴール直前のチョイ差しタイプは、人馬ともに他力本願型の傾向がますます強まっている。大逃げの形になれば鞍上は確実に流れに身を任せて自力で動くことはない。マークする馬を間違えれば、前3走の悪夢の再現。現役最強のディープ産駒まで完成されてないというのが現状の評価ならば、全幅の信頼は危険となる。
ゴールドシップは前走快勝でここ大本命の予定だったが、またも大舞台の乗り替わりですべてがひっくり返った。仕掛けの難しい癖馬。どんな流れになっても4角で先頭から2、3馬身差以内の位置取りにならないと戦意喪失になる難しさ。京都が不向きではなく、鞍上が京都を不向きにしていることを肝に銘じて立ち回れるかがカギを握っている。流れが速くて早仕掛けでバテても、割り切るしかない。いくら手応えがあっても4角後方ではまったく伸びてこないのが今までの戦績。唯一京都で勝った菊花賞も4角で早くも先頭に立つ大マクりを決めている。
良くも悪くも刺激的な鞍上横山典騎手。4角前に豪快なマクる可能性があっても、4角までじっくり待機で内をつくような姿も浮かんでくる。現実に同じコンビで宝塚記念制覇は4角までじっくり仕掛けを我慢。向正からゴールまで追い通しになるズブさで、鞍上の体力的な問題も考慮するとマクる可能性はますます低くなるか。どうにも勝ち負けのイメージが浮かばなくなったことは否めない。
アドマイヤデウスは初の古馬GⅠで勝ち上がるまで成熟しているのか。ここが二千五以下の距離なら素直に勢いを評価できたが、未知なるマラソンレースでこれまで以上のパフォーマンスができるかは微妙になってきた。世代レベルは確実にゴールドより劣る谷間の世代。皐月賞、ダービーで掲示板外の馬が休み明け3戦目にGⅠ奪取はあまりにも出来すぎだ。前々走の2着は牝馬、3着は重賞未勝利馬。前走のレコードに0秒7差も額面どおりに受け取れない。2分30秒台が実に8頭、最速上がり34秒0を含む34秒台が6頭もいれば、時計が出やすい馬場。落ち目になっていたロートル7歳馬でも接戦まで持ち込めたということ。古馬GⅠ経験なし、距離も経験なし、57キロで勝ち鞍なし。前走より一気に相手強化、一気の距離延長、2キロ増の斤量では惨敗でも何ら驚きはない。
昨年の菊花賞はまさにサバイバル。気を吐いているのはトーセンスターダムだけで、3分5秒より速く走った馬はほぼ壊滅状態。勝ち馬を筆頭にまともに出走できない馬も多数出てきたぐらいタフなレースとなった。その中でサウンドオブアースの復活は頼りになる。前走は半信半疑だったが、名手としては珍しいへぐりもあって0秒3差なら色気づく。4角で外からフタをされて仕掛けの遅れ。勝ち馬を上回る最速上がりで脚を余した内容は、少なくてもアドマイヤデウスより中身は濃い。超高速馬場だった京都ですでに結果を残してスタミナにも太鼓判。激走続きの反動だけが不安材料。 |