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能力だけで二千もこなしてきたスマートファルコンだが、本質は短距離ベストのスピード馬。常に掛かる気性難で折り合いに苦労してきた中距離戦とは見違えるほどスムーズだった前走が本来の姿だろう。たとえ同斤量でもスーニには負けない感触がある。スーニは千二でも掛かる気性でスマート比較でどこか荒削り。前走も59キロを背負って3着馬と3馬身差、上がり36秒台の瞬発力は破格だが、着差以上の完敗で逆転が浮かばない。 展開的にはトーセンブライトだが、9歳馬の休み明けでいくらか割り引き。2頭が大きくち切る流れならメイショウバトラーが掲示板以上も可能になる。クレイアートビュンは交流重賞で入着ラインが遠ざかる。東京盃は3着馬に0秒5差、JBCスプリントは0秒2差なら仕上がりひとつでノースダンデー。 狙いはロイヤルマコトクン。乗り方が悪いのか、精神面のスランプか、ここではっきりする。京浜盃3着、羽田盃3着、ダービー5着。オープン特別3勝で重賞制覇が時間の問題の実力馬が、休み明けの前3走に以前の面影を失っていた。条件的にも走りごろだった前2走は必要以上に控えた消極策で自滅の結果だろう。内々でモマれた前々走は納得だが、前走はある程度突っ張れば、少なくてもハナを切った勝ち馬に楽勝を許さなかったはず。あまりにも簡単にハナを譲って勝ち馬のリズムに合わせたレースになって持ち味が生きなかった。待ちに待った乗り替わり。ハナにこだわりたい。 クレイアートビュンはキャリアの少ない川崎コースで割り引いた。まったくロスなく立ち回った前走は展開の利がすべて。ごく普通の位置取りではいつもの姿に戻る可能性が強い。ワイドラインを行ったり来たりのジリっぽさは初重賞制覇の前走でさらに勢いづくことはない。 南関東のレースで初の牡馬相手になってユキチャンに怖さがなくなった。どちらかといえばスピードよりスタミナタイプ。千六に良績なし、57キロの条件の悪さではワイドラインが大きな目標になる。 復活の手ごたえを前走でつかんだチェレブラーレ。一時のスランプを抜け出したブライトフェース。前が止まらない馬場でヴァイタルシーズ。川崎コースでは行きっぷり一変するイーグルショウが穴候補。 走るごとにレベルアップしてきたエスポワールシチーは現役最強というより、歴代のダート王と比較しても遜色ない強さまで成長した。前走の楽勝でベストの千六では無敵のイメージ。逃げにこだわらない先行馬でモマれない外枠を引けば死角らしい死角はない。サクセスブロッケンは昨年のリズムの悪さがどうにも頭をよぎる。フェブラリーS制覇時のような凄みはなく、使いながら調子を上げていく叩き良化型として評価は固まっている。大一番に強い一戦必勝タイプでも相性の悪い対エスポワールで評価を下げた。 究極のスピード競馬を前提にすれば未経験のセレン、中距離路線のマコトスパルビエロは厳しい流れ。以前は千六でも結果を残していたフジノウェーブが人気の盲点か。アドマイヤスバルは理想的な展開になる差し馬。逃げられないフリオーソは打つ手がない 今年の3歳世代は超ハイレベル。羽田盃3着馬の時計が例年の勝ち時計なら、相手がレベルダウンでブンブイチドウの主役が確定する。前2走は大井コースに慣れない鞍上配置もひとつの敗因。乗り替わりで実績どおりの走りに戻れば、ごく普通に勝ち負けが可能。千六が限界のスピード型が揃って相手は絞りやすい。マグニフィカ、ナンテカ、ショウリュウは距離の壁。ホシビリテの羽田盃惨敗でクラウンCのレースレベルが微妙になってテラザクラウドは半信半疑。重賞経験のないステップの馬を見限れば、距離にメドを立てているポップコーン、クリノテンペスタ、リュウノボーイ。時計が掛かった際にエスケイガナール。 タマモアルプスは大型馬らしい上昇度で本格化。母ハイジがJRA未勝利で園田へトレードで3勝。兄タマモピーターパンも同様にJRA未勝利で園田へトレード。その後6連勝を含む(7100)が地方馬場の適性の高さなら不動の中心馬。千二レコード勝ちが千六以下ベストの証となっているアースサウンドは距離克服が最大の焦点。少なくても前走4着馬サンライズとの6馬身差は詰まりそう。そのサンライズクォリアは小回りをどう捌くか。芝を使ったステップの悪さでバーディバーディ、ミッキーデジタルは割り引いた。 強いスーニが戻ってきた。デビュー4連勝で全日本2歳優駿を快勝した頃と遜色ない姿。千二でも掛かる折り合い難から勝ち切れない時期もあったが、小回りコースで折り合い良化になった6走前のJBCスプリント勝ちで復活のきっかけはつかんでいた。その後JRAでの不振はコース体型がすべて。59キロを背負って着差以上の圧勝だった黒船賞で陣営も確信しただろう。前走はスタートで出負けしてやはり3角すぎまで掛かり気味。リズムは狂いかけていたが、隣の馬にぶつかりながら直線入り口で進路をこじ開けて振り切ったレースぶりは着差以上の強さ、底力を印象づけている。死角があれば激戦続きの反動。馬体減では割り引く必要がある。 スマートファルコンの前走はツキがなかったと割り切るしかない。完全に掛かった逃げになったが、そこに人気のエーシンモアオバーが単につぶしにきただけとも思わせるほどの競り。超ハイペースでは早々にレース終了も当然だった。バンブーエールを基準にすればスーニとほぼ互角。昨年の勢いはなく、ローテーションも悪いが、交流重賞6連勝の実力馬が楽勝しても不思議ない。 ミリオンディスクは逆転が浮かばないほど前2走でスーニに完敗だった。徹底マークで逆に突き放された前走を教訓に鞍上が積極的に動くかどうか。スーニと同じ位置取りや後方からの追い比べでは分が悪い。ダイワディライトは交流戦に活路を求めてきたが、千二のスペシャリストにとって微妙な距離で地方馬場が初経験では惨敗も覚悟。
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