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中山裏読み
関東

3R4R
7R8R
9R10R
11R12R
関西
1R2R
3R4R
5R6R
9R10R
11R12R
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中山11R

3連単フォーメーション5、2⇒5、2、8、1⇒5、2、8、1 (12点)

リアルスティールは理想的なトライアルを消化した。クラシック制覇の確率を高めるならば、全勝で挑むことなど必要ない。どれだけ本番に死角をつくらず、多くの経験をさせるかがトライアルの意義だろう。この馬の場合は馬のためではなく、鞍上のためのトライアル。牝馬のGⅠしか勝てないと言われてきた鞍上の弱点が本番での勝負弱さだけに収穫のあった前走だった。
ペースを勘違いした徹底待機。同日二千の未勝利より5ハロン通過が1秒9も遅いラップにもかかわらず、いつもより後方の位置取りが決定的な証拠で、前々の勝ち馬を捕らえられなかったのは当然の結果だった。トライアルだからこそ許されるありがちな鞍上特有の負けパターン。どうにも中山下手な鞍上にとって、このへぐりで本番の遅仕掛けが考えられなくなれば、馬の能力だけを比較ができる。今年すでに中山2勝だが、昨年は勝ち鞍なし。2年前もわずか2勝だけの実績にコース適性の低さ、下手さがわかるはず。人馬との間の溝が少しでも埋まるようなレースを経験したことを強調したい。
いずれにしても能力そのものは世代トップと断言できる。デビュー戦は上がりレースラップに10秒台が含まれる数字で最速上がりの横綱相撲。続く重賞ではキャリア1戦だけで貫録勝ちしている。相手は重賞好走馬。直線で前が壁になりかけながら、前にスペースができるとケタ違いの末脚で瞬殺したレースぶりはまさにクラシック級ということ。前走は展開負けに加えて先を見越した仕上がりも否めない。明らかに良化余地を残した馬体で、それでも脚を余した最速上がりにさらなる進化がうかがえた。ごく普通に立ち回れるかどうか。未知なる距離とはいえ、足踏みは許されない。

サトノクラウンは3戦すべてが位置取りも仕掛けのタイミングもパーフェクト。胸を張るどころか、威張れる3連勝で完璧すぎる内容だけに色々なアドリブへの対処が必要となった際にモロさが出ないかが心配になってくる。これまで直線では捌きやすい位置取りと流れ。ごちゃついた際にうまく捌いて抜け出してくるかどうかは本番一発勝負になってしまった。キャリアの浅い3歳馬。軽いストレスのかかる位置取りでポカが出ても驚いてはいけないが、リアル同様に能力的には歴史に残っている馬と比較しても遜色ない。
走るたびに馬体増でバランスの良さは一級品。そのままパワー、スピードアップにつながっている。デビュー2戦連続で上がり33秒台。とりわけ前々走は直線ヨーイドンで新潟2歳S2着アヴニールマルシェ、ホープフルSと京成杯をいずれも4着のソールインパクト、シンザン記念勝ちのグァンチャーレらを相手に単純な鋭さ勝負で振り切っている。前走は4角先頭の圧勝劇で世代トップレベルを改めて示したが、直線馬群を捌くことのない展開だったことはトライアルとしては最悪。トリッキーな中山を一番楽な勝ち方だったことはこの馬にとってプラスがないだろう。直線馬群を捌くという選択のない人気。前走の再現が不可能になった時点で黄色信号か。いずれにしても距離的にダービーよりここに全精力。

ドゥラメンテの前走は鞍上の未熟さそのもの。年間50勝、関東20位前後でこの質の悪さにJRAジョッキー全体レベルの低さ、トップジョッキーとの格差が改めて示された。引っ掛かったのではなく、3角前に鞍上が無理やり抑えたため首が上がるような仕草になって完全にリズムを崩すという重賞では稀な大へぐり。その後はなぜか真逆の乗り方にも驚いた。直線勝負に賭けることを前提でスタート直後にあれだけ控えたと思われたが、4角前から仕掛けて早々に直線先頭というちぐはぐな競馬。結果早仕掛けで勝ち馬の餌食になれば、いいわけはできない。2年も重賞勝ちのない鞍上に大事な一戦を任した陣営が悪かったと納得して改めて狙い直したい。
デビュー戦はじっくり乗りすぎた展開負けだが、4戦すべてが最速上がり。切れ味はますます磨きがかかっている。3走前は最後2つの上がりレースラップが11秒0-11秒1。前々走はムチなしで残り100から流した大楽勝なら、重賞未勝利でも格下感はない。秘めたスケールはさすがの超良血馬。反応の良さはリアルサトノを上回り、早仕掛けから残り50で勢いの止まった前走から、むしろ直線が短くなる中山はレースはしやすくなるイメージ。

ブライトエンブレムは手探り&雑な乗り方だった前走で見せ場十分の2着。ゴール直前では勝ち馬を上回る脚色に凄さが伝わってくる。洋芝の札幌のみの良馬場経験で自身の上がり時計ベストは35秒台。前走から時計を2秒前後の短縮など数々の課題を抱えるが、母も同様に時計勝負に課題を残していたにもかかわらず、秋華賞では見事な高速時計で勝ち上がっている。良血馬らしい天才肌は突然変身しても驚かない。

ダンノプラチナは前走3着でも評価を上げられない。GⅠとしては低調な朝日杯勝ちは恵まれた一戦。前走よりさらなる距離延長で化ける姿がまったく浮かばない。初勝利はムチ1発だけ、3走前は渋り気味の馬場で時計短縮して振り切ったが、特筆するほど数字や内容は抜けてなかった。前走も十分な手応えで追い出しを我慢できたほどだったが、思ったほど伸びなかった末脚。何より頭の高い走法は距離の限界の近さも示しているか。大外枠でギブアップ状態。

ベルーフは前走で評価が揺れ始めた。見た目以上のパワフルな走法で距離もイメージほど限界を感じさせない意外性のタイプだったが、GⅠ馬とはいえ休み明け、千六までの経験馬に競り負けた。超スローの瞬発力勝負でメンバーNo5、最速上がりのリアルと0秒5差はすでに逆転不可能な致命的な数字となっている。本番のGⅠでブリンカー着用の博打も肩透かしに終わりそう。

キタサンブラックの前走は同日未勝利二千より5ハロン通過が1秒9も遅いという考えられない超スロー。前残り当然のラップで早仕掛けから勝ち上がったことにそれほどの価値はない。前々走より良化がうかがえた馬体でも見た目に大物感はまったく感じられないだけに厳しいラップと位置取りになった際で真価を問いたい。