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東京裏読み
関東
6R
7R8R
9R10R
11R12R
関西
1R3R
9R10R
11R12R
WIN5

東京10R3連単フォーメーション5、9、11、1→5、9、11、1、8→

5、9、11、1、8 (48点)

3連複フォーメーション5-9、11、1-

9、11、1、8、13、2、16、6 (18点)

ディープインパクトの亡霊を追い続けて成績的にもはっきり下り坂となっていた武豊騎手にとって待ちに待ったキズナとのコンビ誕生だろう。最近の不振は間違いなくディープの後遺症。以前は流れに応じて変幻自在に捌いていたが、今やすべての馬を徹底して控えるという考えられない方向転換。先行馬を差し馬に、差し馬をさらに控えて追い込み馬に、追い込み馬は向正ギブアップの位置取りになるまで控えている。どんな馬も33秒前後の脚を使えるという勘違い騎乗ぶりで、自ら騎手生命のピンチにも陥っていた。逃げ~追い込みまで流れに応じて多彩に捌いていたのはもうすでに昔話。大きいレースになればなるほど消極策になるのは、もう偶然ではないことがはっきりしている。
そんなだめな騎乗の連発でもギズナというダービー前日1番人気馬に巡り合うのが武豊なのだろう。前任騎手はあくまで好位差しの完成目指して教育していたが、4走前が嫌なイメージとして残っているためか、前3走はペース無視であえて徹底待機に構えてディープインパクトと同じような乗り方に徹しているのが印象的。それでもディープと比べるとあまりにも落差があるのが否めない。ディープは33秒台~34秒前後の上がり時計連発なのに対して、キズナはごく普通の瞬発力型。
3走前は未勝利並みのラップにもかかわらず、4走前とは真逆となってラップ考慮で最悪な位置取り。案の定、直線ラチ沿いを突いてロスなく立ち回っても鋭さ不足で届かないという一線級との格差を感じさせていた。前々走の上がりレースラップは11秒5-11秒8-12秒5。最後が平凡な数字だったからこそ、直線だけの仕掛けで間に合った感が強い。さらに2着馬がダート馬だったことが決定的か。重賞の上位常連の芝馬ならば最後11秒台でまとめられて届かない計算も成り立ってくる。前走も結果最後流す楽勝とはいえ、直線半ばで目一杯追うと逆手前になる若さ露呈も裏街道だからこそ通用した可能性が否めなくなる。
いずれにしても今年の馬場の良さからして上がりレースラップは全11秒台が避けられないのが現実。過去10年で上がり全11秒台は05年ディープインパクト、07年ウオッカ、10年エイシンフラッシュ。大外ブン回して一気差しを決めたディープの年は1強だっただけに届いたが、ウオッカエイシンはいずれも内々で脚をためて直線内目を捌いてきた。
ディープの亡霊を追っかけている鞍上に直線馬群を縫うというイメージが浮かんでいると到底思えなければ、人気どおりの評価ができないのが本音。

4強の中で一番、巻き返せる位置付けなのがエピファネイアか。前走は力負けというより、反応の良し悪しの差。4角手前で抜群の反応から抜け出してきた勝ち馬と違っていくらか時間のかかった反応だった。それでも全体的な内容では勝ち馬に何ら劣ったところはみられない。以前と比べたら折り合い面はかなり良化している。とにかく前走はこの馬でさえ、皐月賞レコードを11年ぶりに更新している時計だったことを評価しなけなばならない。スタート直後に少し引っ掛かったことを敗因などナンセンス。自滅と違って中山二千の高速決着では、勝ち馬よりわずかながら劣ったということ。中山二千では負けても東京二千四では別の話。デビュー3戦連続の最速上がりの切れ味は影を潜めているが、走るたびに成長を感じさせた母ならば叩き3戦目、直線長い東京コース替わりで化ける可能性を秘めている。少なくてもロゴより距離延びて血統的にいいタイプ。二千と同じような脚が使えれば、単純計算で逆転の計算が成り立つ。
例年引っ掛かる馬がいてハイペースか、各馬折り合いついてスローの瞬発力勝負かに分かれるが、今年は折り合えるサムソンズプライドが主導権を握れば、確実にスローの上がり勝負。もちろん番手が理想の位置取りだが、引っ掛かればハナを切ることも悪くない選択。いくらか引っ掛かることは想定内としてロゴを物差しにすれば見た目、血統からは4頭の中でダービーの条件は一番しっくりくる。

ロゴタイプナリタブライアンの戦績にそっくりなローテーションに驚いた。ナリタは2歳8月デビューで2歳秋までごく普通の馬だったが、京都2歳Sをレコード勝ちして吹っ切れモード。その後、朝日杯→共同通信杯→スプリングS→皐月賞→ダービーまで6連勝で2冠制覇を達成した。ダービーまで実にキャリア10戦。さらに特徴的なのは千二デビューということもロゴとダブってくる。それでも決定的に違うのがレースぶり。圧倒的な瞬発力を武器に直線だけでぶっち切ってきたナリタは距離延びてこそのイメージがあった。ダービーまで二千はわずか1度だけの経験でも、ダービーで5馬身差の離れ業が可能だったのだろう。本格化した4走前からレース内容を見極めれば、ダービーの適性が浮かび上がるか。
まずは4走前。ひと息入れたことがこれだけ吉と出るのも珍しい。18キロ増は成長分だが、本来ならこの馬体になるまでデビューを待つのがセオリーだった。非力に映っていた休養前とは明らかに別の雰囲気。実戦ではスローの瞬発力勝負を直線内々で行き場を失いかけていたが、鞍上の好プレーでラチ沿いからイメージ一新の好位差しを決めている。レコードのおまけ付きはまさにこの馬の成長力を示すものだった。
3走前はハイペースを前々勝負。2着コディーノより掛かり気味の折り合いでも前々の位置取りからタイレコードで凌げば、少なくてコディーノより能力は上ということがはっきりした。前々走はテン乗りの影響もわずかながらあったか、ギリギリ折り合うような行きっぷりの良さ。3角過ぎからマクって着差以上の楽勝で、ここまでのレースぶりはナリタブライアンに匹敵する内容だろう。
極め付けは前走だ。過去20年と比べても断然速い超ハイペース。さすがに4角前から手が動いていたが、直線半ば先頭に立つと終わってみれば驚愕のレコード勝ちで2冠制覇にリーチがかかった。距離延びても簡単に見た目のインパクトの強さから距離克服のイメージできたナリタに対して、歴史に残る勝ち時計がそのまま距離克服につながるのがロゴの可能性もわずかながら残っている。いずれにしても加速的に伸びていく末脚と一瞬の切れで勝負を決める末脚との差よりも、もっと大きな違いが追い切りにある。
ウッドコースでビシビシ鍛え上げたハードトレにもかかわらず、何らへこたれない強い体質だったナリタに対して、皐月賞時にも嫌った直前軽めの変則的な追い切り内容がどうしてもひっかかる。ハードな追い切りをこなして強い馬が出来上がるというのが自論。唯一の救い、大跳びのフットワークだけではあまりにも強調点に乏しい。

コディーノの出番はあるのだろうか。前走は確かに4角前に包まれて上位2頭より仕掛けが遅れたことが致命傷になったが、勝ち馬より決定的に瞬発力が劣っていることは誰が見ても認めるしかない。勝ち馬よりいい位置取り、いい手ごたえで競り負けた3走前だけでなく、完璧な勝ちパターンの位置取りとなった前々走で不発になったことが強気になれない大きな要因でもある。前走も勝ち馬より手ごたえが上回りながら、馬群から抜け出しても末脚に勢いそのものは感じられなかった。極限の瞬発力勝負に弱く、距離がさらに延びてもプラスを感じられない体型。ダービー挑戦を目論んでいる距離不安のある馬としてはあまりにも二千以上の経験が少なすぎる。振り返ってみれば、札幌2歳Sがラウンドワールド、東スポ杯がレッドレイヴンなど一瞬だけ花開いた程度の馬に競り勝ったことで強烈なインパクトが残っているだけ。競り負け続けている前3走こそが本来の姿でないかと疑い始めるのが自然な流れだろう。いずれにしても追い切りでレベルアップが見込めない厩舎。実戦で限界がうかがえればそこで終わりとして扱うべきなのかもしれない。関東馬が東京競馬場に直前入厩など、小細工の必要なガラスの王子様にとって厳しい試練が待っていることは疑いようのない事実。見た目は典型的なマイラー。

1週前の追い切りをみて評価一変がメイケイペガスターだ。とにかく圧巻の追い切り内容。真一文字の伸びに風格さえ感じたのは少数意見ではないだろう。これこそ後がない究極の仕上げ。気性難を抱える馬に対して本番で引っ掛かることを恐れないしごきを2週連続で行っている。ハードトレが裏目に出るなら仕方ないという割り切り方が一発勝負に賭けた陣営の考え方、やり方ということ。結果は別として、この馬こそがこの中間でメンバーNo1の充実ぶり。
ただ単に追い切りだけが強調点ではない。まともに乗りこなせば楽にGⅠ級であることをすでに3走前に証明していることを忘れてはならない。直線半ば、一瞬にして勝負を決めたセーフティリードで他馬を圧倒。負かした2着ゴットフリートの不振でレースレベルの判断が難しくなってきたが、上がりレースラップは東京スポ杯12秒0-10秒9-11秒4に対して共同通信杯11秒3-11秒2-11秒5ならば、数字からはっきり遜色ないレベルが示されている。
5走前、前々走、前走は素人並みというあきれるほどのレベルの低い乗り方だった。5走前はスタートミスから終始引っ掛かって勝負どころでかなり外々を回るリズムの悪さ。前々走は完全に引っ掛かって仕方なく大マクり。前走は引っ掛かるのが怖くて向正ですでに勝ち負けからギブアップの位置取り。勝負どころからコースロスの大きい4角ブン回しならば、鞍上の資質を問われても仕方ない。前走は1分58秒台で最速上がり。内目をスムーズに立ち回った勝ち馬に0秒9差なら決定的な能力差がないことがうかがえる。不完全燃焼続きで余力は十分。結果を残している左回りで一変の期待。

テイエムイナズマも腹をくくった乗り方でしっくりきた。引っ掛かってマクるという工夫のない乗り方を封印して、徹底して折り合い重視の乗り方が功を奏してきたということ。見せ場もなかった3走前と前2走の内容が一変していることを強調したい。前々走は距離にメドを立てる3着馬に0秒1差。前走は直線うまく捌けずに、勝ち馬より0秒1、2着馬に0秒4、3着馬に0秒6も上回った上がり時計こそが変身のシグナルだ。